週末の二日間、美容皮膚科学会のオンライン公開日でした。
土曜の診療後からWi-Fiのあるカフェで聴講したり、日曜に家で聴講したり。
先日リアルタイムでウェブ配信されたときに通信システムのトラブルで途中で聴講できなくなったので
今回は録画されたものを2日間の好きな時にみていいということ。
土曜とか診療もあるし、リアルタイムだと聞き逃しリスク大きいので、録画配信になって随分と助かりました
寒いと集中できないので、パンツスタイルにハイネックニットというリラックスした格好で。
学んだことをまとめてみます
医者になってすぐからもちろん学会にはいろいろ参加してきたわけですが、いつもよくメモをとります。その方が自分の記憶に残りやすいし、なによりも見返したいから。
でもね、最近気づいたんですよね。
見返すことってそんなに頻繁ではない。
書く労力のわりに、、、なんて思ったわけです。
インプットばかりでは自分のものになっている感覚がないので、アウトプットをセットで行いたい、と思うようになりました。メモをとることにエネルギーを使いすぎず、耳に集中して、聞き返したいところは巻き戻しで再度聞いて、聴講しながらこのブログに同時進行でまとめていきました。
以下は、わたしの備忘録的なものですか、
このブログの読者である「医療従事者以外の方、つまり患者様たち」にも伝わると面白いかな、
と思い、かなりシンプルな表現で書こうとしているつもりです。
へー!って思えるポイントがひとつでもあると面白いかな、と思います
学んだこと。
酸化ストレスの最終生成物であるカルボニルタンパクは、UVや乾燥にさらされた皮膚の表皮にも真皮にも蓄積されていることが確認されている。
さらにこのカルボニルタンパクは、乾燥した皮膚やバリア機能が落ちている皮膚でも、多くなっていることがわかってきた。
詳しく言うと、
皮膚が乾燥すると、酸化ストレスがかかかってカルボニルタンパク質が増えることはすでにわかっている。
さらに大事なこととしては、カルボニルタンパク質は、果たして乾燥の結果なのか?原因なのか?であるが、
豚の皮膚を用いた実験でわざとカルボニルタンパクを、沈着させると、それの濃度に比例して皮膚の水分量もバリア機能もどちらも下がるということが証明された。
つまり、皮膚が乾燥するとカルボニルタンパク質が増えてしまう、カルボニルタンパク質の存在はさらに乾燥を引き起こす、という負のループが生じる。
→
やっぱり保湿することって、めっちゃ大事やん!負のループを止めるために、保湿。単にしっとりするとかだけじゃないことは科学的に証明されている。
・メイクアップと皮膚疾患について
ニキビ患者様やアトピー性皮膚炎の患者様でメイクアップをしてもらうことで、かえって皮疹が減ることが観察された。
皮膚疾患があるからと言ってメイクアップを制限するのではなく、
適切なメイクアップ用品と方法でメイクをすることで、
「さわらなくなる」ことで、かえって疾患そのもののコントロールがよくなることがわかった。
→全くその通りだと思う。綺麗にメイクアップしているときのほうが、さわらなくなるはず。
ニキビの方は「ノンコメドジェニック処方」もしくは「ノンコメドジェニックテスト済み」とかかれたコスメを選びましょうね!
・脳科学と、美しさの研究
人が、女の人の顔を見る時の脳の動きをMRIで確かめた実験がある。
ノーメークの人をみるときには
「その人が誰なのか?」を認識するように働いているが、
メイクをしている顔をみるときには
「どれくらい美しいか」を判断して、「より美しいほど、より記憶に長くとどめようと働く」という方向で脳が反射的に動いている、ということがわかった。
しかも、それは、ファンデーションだけでも効果がある、
ファンデーションとリップメイクでは、ファンデーションだけの場合とあまりかわらないが、
ファンデーションにアイメイクが加わると大きくその反応がさらに活性化される。
→ものすごく面白いですね。
メイクアップによって、対面する人へ与える印象と、それから記憶の残り方まで変わるなんて。
メイクアップで自分を美しく装うことで、記憶に残してもらうって、女の特権なのかも。
でも、おそらく、香りや服飾の色などでも似たような傾向はありそうですね。
(わたしのただの予想)
・肝斑治療について
トラネキサム酸の内服や外用、局所注入に対してに関して、海外で21件の質の高い論文がでている。
外用は安全性も高く、副作用もさほどないが有効な濃度がはっきりしない。報告されているのは0.5パーセントから10パーセントまでと幅がある。
内服は海外では500mg〜750mg/日の量で検討した例ばかりで、しかもそれで十分な有効性がでている。4週で効果が出始めるという結果が多い。
1000mgや1500mgとの比較した論文はない。
海外では内服中に経血量の減少を報告した論文がいくつかある(日本国内でも1つ論文がでている)
また投与の期間については、試験では2ヶ月や3ヶ月といった設定が多かったが、長期的な内服に対するデータはまだない。
トラネキサム酸以外の内服として、抗ヒスタミン薬のケトチフェンが韓国では使用されている。
肝斑症例では、紫外線だけではなく
可視光線もブロックするのが大事。
→肝斑については、レーザートーニングも含め、深く議論がなされていました。
ここ数年、ずっとこの学会ではかならず議論が白熱している分野だと思います。
今回は韓国の先生が講演された点やトラネキサム酸についても論じられていた点が新しかったと思います。
思うことたくさんありますが、深すぎて、
ここでは書ききれない。。。
・漢方について。
2000年以上前の中国の書物に、
すでに自然免疫と獲得免疫についてを示唆するような記述(人間は、衛気と営気で、邪(つまり外界からの病原体など)から身体を守っているという記述)があった。
その自然免疫とは脂質によって活性化されることが最近10年間ほどの研究でわかってきて、その脂質が何か?というと、漢方の生薬に含まれていることが昨年論文として発表された。
今後世界がウイルスとたたかっていくにあたって、漢方薬のそういった作用やその脂質(糖化フラボノイド)が注目されていくだろうということ。
漢方がなぜ効くのか?の科学的な解明は、
この30年程度でどんどんすすんできていて、
2000年代に突入したあともそうした科学的な解明を試みた論文は年々増えている。
サイレイトウに、飲む日やけ止め的な効果がある可能性があるということが2020年、論文として発表された。
補中益気湯に似たような効果(飲む日焼け止め的な効果)がある可能性が2013年にすでに発表されている。
→凄いことです。漢方の話って、なんだかワクワクします。昔の人が2000年も前に始めたことが理論的に科学的にどんどん証明されているってすごい。
日本にいるわたしたちは、保険診療でこの恩恵をうけることができるわけです。漢方にしかできないことってあります。
・女性ホルモンと美容
ホルモンを制するものは美容を制する!というテーマで婦人科の先生がご講演。
閉経後、数年かけて皮膚のコラーゲン量が減少し続ける。示されたデータでは8年間にわたって年々減少をつづけて、8年経って下げ止まっていた。
エストロゲンの受容体は全身のあらゆる器官に分布していて、当然皮膚にもある、よって、エストロゲンの増減が皮膚にたえる影響は大きい(しみ、しわ、たるみ、乾燥など)
閉経後の肌の変化は一気にくるわけではなく、数年かけて徐々に老化がすすんでいくと言える。
→ホルモンには勝てんなぁー!!!と思うことが日々の診療でたくさんあります。
とくにニキビと肝斑の治療において。
深いんですよ、この分野。
今回みたいに婦人科の先生によるご講演、もっと聞きたい。
聞きたい講演がたくさんあったんだけど、
2日間の限定公開だったから
結局目標のところまで聞くことはできず、、、
でも、とても勉強になりました。
子どものいる土日の自宅って、
なかなかのカオスなんですよね
おちついて聴講できないので、日曜も母に協力してもらってすこしカフェに出かけましたが、それでも最後の最後、時間が足りなくて、
寝かしつけしながら、
イヤホンで音声だけ聞いていました。
大人の勉強は、権利教育だと思ってます。
義務教育のころにはつまらないなと思った勉強もたくさんあったけど、いま、自分の好きな分野の勉強ができるのはとてもありがたいし、楽しい。
仕事していても、大人になっても、病気があってもなくても、子どもがいてもいなくても、
学びたいという気持ちだけは、人から奪えないのです。
とくにこれまで学会参加したくてもできなかった人たちが、参加できるようになったというのは、
学会のウェブ開催が増えてものすごく喜ばしいことだと思います。
週末、子どものお世話を協力してくれた母に感謝です。
子どもとおばあちゃんとでのお留守番のあと、
「テレビで、秘密の八重歯、みよったよー」と母から私に報告うけました。
一瞬わからなかったんだけど、、、
それ、「鬼滅の刃」ね!!!笑
かなりウケました。
ヒミツの八重歯、、、なんか可愛らしい女の子の秘密の一面がある、みたいやん。笑
Dr.Moeでした
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