宮沢章夫さんをご存じですか?


日ごろ散々、本が好きとか言ってるくせに、割と偏ったジャンルや作家さんばかり読んでいた私なのですが、本好きの友人から進められるまで存じ上げなかったのが全くもったいなかったなと冷や汗ものでした。


1956年生まれの、日本の劇作家、演出家、作家。遊園地再生事業団を主宰しています。



して、今回は宮沢先生の
「牛への道」を読んでみました。



新潮文庫 1997年


一言で言おう

「これは、おもしろすぎるやろーーー!!!」

と。



結構前に教えてもらったとき、このタイトルの意味が分からなくて

「牛への道?農業再生ストーリーか??」

なんて、なんともバカな脳内変換をしてしまったのですが、これはエッセイです!!



今までエッセイは、子供の頃読んだ「遺書」と「松本」くらいしかまともに読んだことなかった私の常識が覆されました。(この2冊は今でも大好きですよ)

作者・宮沢章夫先生が、日々の出来事を独自の目線で見、感じ、考え、吸収し、吐き出した作品たちは、どれ一つとして笑えないことがないのです。


物の見方が斜めとか横とはそんなんじゃないんです。宮沢先生は。

真正面から見て、真正面から捉え、文字としての魅力でその面白さを直球で投げてくるのです。





外で読んではいけない本と出会いました。

私、初めてでした。

電車の中で「ひっww」って笑ってしまいました。



読んでる途中、これほどに、終わってしまうのが惜しいと思いながら本を読んだのも初めてかもしれません。

全250ページの分量に、たくさんのショートエッセイが入っています。
一つ一つが短いので、ちょっと時間がある時に読む用に、常にカバンに入れとくのをおすすめします。


あまりにも面白すぎて、一文を5回は読み、先へ進むのを遅らせながら読んではいたのですが、全部読み終わった時の、いとしさとせつなさと心強さといったら!!


突き抜けてる!!!!



今まで知らなかった後悔よりも、今回教えて貰えた感謝のほうが数段、今後の糧になると思います。


きっとこの先、何度も読んで、笑い、新たな発見をするでしょう。



さあ、道端に転がる石を、デパートの紙袋を、今目の前にあるコーヒーカップから、日常と悲劇の狭間の一筋の違和感を感じとってみようじゃないか!!!