すみコラム 30
「無意識の見聞。」
こんな会話を耳にしたり、もしくは実際したことがある方は多いのではないでしょうか?
女子A「あ~もう今日寝癖がひどくてさ~」
女子B「え?大丈夫だよ~!全然平気!」
女子A「ま、誰も見てないよね~」
女子B「そそ!誰も見てないってー!」
なんて会話。
ここで問題なのは、女子Aが自らの失態を予め披露しておくことのあざとさではなく、この「誰も見てないよね~」の方なのです。
果たして、本当に誰も見てないのでしょうか?
この【見ている】とは所謂【興味があって見ている】ではなく、何となく目に入っている場合は、割と見られているのではないでしょうか?
私はこれを「無意識の見聞」と認識します。
実際暇な時に何となく、ぼーっと「あ、あの人寝ぐせひでーww」なんて思って見ていることもあるのですが、まあ、5分もすれば忘れてしまう位なので、本質的な意味では「見ていない」のかもしれませんが。
しかし「人間観察が趣味です!」なんて自信満々にアピールする人もいるくらいなので、やはり外出する際には多少の身だしなみは忘れてはいけないのです。
では、会話はどうでしょうか??
この会話というのはやっかいなもので、聞きたくなくても聞こえてしまったり、入りたいけど入れなかったりするのです。
電車の中などでよく「あのさ、あの●●ドラマに出てるさ、なんだっけ、あの女優、ほら、こないだ結婚した、髪の長いさ…」なんて会話を聞いた時には、私はいい加減教えてあげたくなってしまうのですが、ぐっとこらえます。しかし最終的にこの女優の名前を思い出せたのか考え出したら、心配で夜も眠れません。
逆に「あー、まいいや!ていうかさ、昨日さ…」なんて話半分で次の会話に流れていってしまった時にはいよいよ事は重大です。私は席を立ち、その乗客の目の前に行き、優しくそっとささやいてしまうことでしょう。「○○○さんよ」と。
まあ、これは妄想の話でして、実際こういう状況に直面したときには、全く行動には移せないのが人間の性なのです。
先日のことです。
私は仕事帰りに212キッチンに立ち寄り、店内をふらふらしていました。そこで、見るところ20代前半の一組のカップルが仲良く茶碗やキッチン雑貨を見ながら楽しそうに話していたのです。
カップルは土鍋コーナーを見ながらきゃっきゃしていたので、私は「あ~同棲するために食器を揃えているのかしら?」などと思い優しい気持ちになりました。しかし横目でちらっと見た瞬間、その彼女は衝撃的な一言を発したのです。
「あ~~!!これ、ちょくび対応だって!」
彼も「おお!いいじゃんそれ!」
なんつって。
結構デカイ声で。
私は正直、このカップルが今まで直火を ちょくび と言っていたことへ少々の驚きを隠せなかったのですが、逆になんだかすがすがしい気持ちになりました。
もしかしたら私も今までの間どこかで、このカップルの様な立場にいたことがあったかもしれません。
しかし何事も堂々としていれば、いずれそれはその人の歴史になりうるであろうということを確信させてくれたのです。
私はお目当ての雑貨をレジに持って行きお会計をしました。その日はポイント倍の日でいっぱいスタンプを押してもらいました。カップルも隣で会計し、初めてポイントカードを発行してもらっていたらしい会話が耳に入ってきました。
やれやれだぜ…。
月が綺麗な夜でした。仕事帰りの疲れがあるはずなのに、帰る足取りは軽やかになっていました。
星が輝いていました。私はその20代前半の彼女に、以前の自分の影を重ね、心の中でエールを送りました。「料理、がんばりなよ」と。
「無意識の見聞。」
こんな会話を耳にしたり、もしくは実際したことがある方は多いのではないでしょうか?
女子A「あ~もう今日寝癖がひどくてさ~」
女子B「え?大丈夫だよ~!全然平気!」
女子A「ま、誰も見てないよね~」
女子B「そそ!誰も見てないってー!」
なんて会話。
ここで問題なのは、女子Aが自らの失態を予め披露しておくことのあざとさではなく、この「誰も見てないよね~」の方なのです。
果たして、本当に誰も見てないのでしょうか?
この【見ている】とは所謂【興味があって見ている】ではなく、何となく目に入っている場合は、割と見られているのではないでしょうか?
私はこれを「無意識の見聞」と認識します。
実際暇な時に何となく、ぼーっと「あ、あの人寝ぐせひでーww」なんて思って見ていることもあるのですが、まあ、5分もすれば忘れてしまう位なので、本質的な意味では「見ていない」のかもしれませんが。
しかし「人間観察が趣味です!」なんて自信満々にアピールする人もいるくらいなので、やはり外出する際には多少の身だしなみは忘れてはいけないのです。
では、会話はどうでしょうか??
この会話というのはやっかいなもので、聞きたくなくても聞こえてしまったり、入りたいけど入れなかったりするのです。
電車の中などでよく「あのさ、あの●●ドラマに出てるさ、なんだっけ、あの女優、ほら、こないだ結婚した、髪の長いさ…」なんて会話を聞いた時には、私はいい加減教えてあげたくなってしまうのですが、ぐっとこらえます。しかし最終的にこの女優の名前を思い出せたのか考え出したら、心配で夜も眠れません。
逆に「あー、まいいや!ていうかさ、昨日さ…」なんて話半分で次の会話に流れていってしまった時にはいよいよ事は重大です。私は席を立ち、その乗客の目の前に行き、優しくそっとささやいてしまうことでしょう。「○○○さんよ」と。
まあ、これは妄想の話でして、実際こういう状況に直面したときには、全く行動には移せないのが人間の性なのです。
先日のことです。
私は仕事帰りに212キッチンに立ち寄り、店内をふらふらしていました。そこで、見るところ20代前半の一組のカップルが仲良く茶碗やキッチン雑貨を見ながら楽しそうに話していたのです。
カップルは土鍋コーナーを見ながらきゃっきゃしていたので、私は「あ~同棲するために食器を揃えているのかしら?」などと思い優しい気持ちになりました。しかし横目でちらっと見た瞬間、その彼女は衝撃的な一言を発したのです。
「あ~~!!これ、ちょくび対応だって!」
彼も「おお!いいじゃんそれ!」
なんつって。
結構デカイ声で。
私は正直、このカップルが今まで直火を ちょくび と言っていたことへ少々の驚きを隠せなかったのですが、逆になんだかすがすがしい気持ちになりました。
もしかしたら私も今までの間どこかで、このカップルの様な立場にいたことがあったかもしれません。
しかし何事も堂々としていれば、いずれそれはその人の歴史になりうるであろうということを確信させてくれたのです。
私はお目当ての雑貨をレジに持って行きお会計をしました。その日はポイント倍の日でいっぱいスタンプを押してもらいました。カップルも隣で会計し、初めてポイントカードを発行してもらっていたらしい会話が耳に入ってきました。
やれやれだぜ…。
月が綺麗な夜でした。仕事帰りの疲れがあるはずなのに、帰る足取りは軽やかになっていました。
星が輝いていました。私はその20代前半の彼女に、以前の自分の影を重ね、心の中でエールを送りました。「料理、がんばりなよ」と。