経常収支ってなに?? | KUUTV(くーてぃーびー)

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くうのにゅーすどうがのかきおこしをよういしたわよ。
ほぼまいにちとどけてあげるわ。

財務省が9日、2014年の経常収支が2兆6266億円の黒字だと発表しましたが、これは、現行統計が始まった1985年以降で最小の黒字額であることが分かりました。
今日は、このニュースです。


経済のニュースがわからないのは、こういったニュースに出てくることばや、その内容ではないでしょうか。

しかし、よくよく紐解くと、そんなに難しいことではないんですよ。


経常収支とは、モノやサービスなど、海外との総合的な取引状況を表す数字のことで、いくつかのパートに分かれています。

そのパートをひとつずつ見ていきましょう。


まず、貿易収支です。
これは、輸出から輸入を引いて出てくる額です。

それによると、2014年は、貿易赤字が過去最大でした。
その額10兆3637億円。

10兆円も超える赤字、つまり輸入が多い状況とは、一体なぜでしょう。

答えは、火力発電向けのLNG(液化天然ガス)です。

原発が止まって以降、日本では火力発電が9割を占めていますが、この火力発電向けLNGが、輸入額を押し上げています。


一方の輸出は、数年前に続いた円高で、製造業を中心に海外進出が続きました。

よって、日本から輸出するモノは減り、代わりに輸入が増えているのです。


続いて見たいのは、その、海外進出との関係です。

この数字を見るのは、「第1次所得収支」で、企業の海外子会社の稼ぎを反映するパートです。

その数字が2014年、過去最大になりました。

このパートを見ても、海外進出が進んでいることが明らかです。


また、訪日外国人が国内で使うお金から、日本人が海外で使うお金を差し引いた「旅行収支」は若干の赤字になりましたが、間もなく黒字になりそうです。

つまり、日本人が海外へ行くより、あるいはそこで使うお金より、外国人がたくさん来日し、たくさんお金を使っている現状を表しつつあります。


他にもパートがありますが、ざっと以上のようなパートを総合したのが、経常収支です。

それが、一応黒字になったものの、その黒字額は減ってきている、というのが、9日に財務省が発表した内容でした。

この黒字額は、2011年から一貫して縮み続けています。

先ほど述べた、LNGの輸入が、2011年の大震災後から増え続けているからです。


日本の会社が海外で稼ぎ、それが貿易赤字を、総合的に(経常収支で)黒字にしている、という姿が鮮明になりました。


2011年の震災前は、このような姿ではありませんでした。

それまでは、日本は、貿易で稼いでいました。
日本の工場で作られたモノを、海外に輸出する、それが基本でした。


震災後に、すっかり変わってしまった日本の経常収支。

この経常収支から見える、日本の今の姿です。