*ビーツで風邪予防1*お手軽本格ボルシチ | Москва, Любовь Моя

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ロシア料理研究家、ロシア語通訳
中川亜紀のブログです。

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静かにですが、ビーツ"свёкла"が日本でもブームになりそうな動きが出ていますね。
本物のロシア料理を広めるにあたり、いつもネックだった“ビーツが手に入りにくい”という問題が解消されるかも!

ということで、私も微力ながら、少しでも日本でビーツが広まるように、美味しくて実践しやすいレシピを、ご紹介したいと考えています。

まず、ロシア料理で、ビーツと言えば、ボルシチ。
でも、私でさえ、ボルシチ作る日は、今日はボルシチ作るぞ、という気分の時で、たまたま冷蔵庫の食材見て、汁物はボルシチにしようかしら、なんてノリでは作りません。

そこで、ボルシチのお手軽バージョンを考案してみました。
日本の家庭の夕食なら、コロッケとサラダと…スープにはボルシチ!くらいの手軽さで出来るように。

そのためにも、必要なのが、ロシアでチョルカ Тёрка と呼ばれるグレーターです。
以前も書きましたが、これがなければ、ロシア人のおばちゃんは料理してくれません笑
それくらい、ロシア料理には欠かせないものですし、また、お菓子作りにも活用できて、一つあると拡大にレシピが広がるものでもあります。

IKEAなら500円、最近はダイソーで小さいものもあります。Flying Tiger コペンハーゲンの300円のは可愛いけど、野菜おろすには、ちょっと小さいかもしれません。
このチョルカと、生のビーツを手に入れたら…


《ル・クルーゼで作るお手軽本格ボルシチ ленивый и скорый борщ》
四人分

ビーツ 中 1/2
キャベツ 1/8
玉ねぎ 中1/2
にんじん 中1本
じゃがいも 中2
セロリ 1/2(あれば)
パプリカ 1/4(あれば)
ベーコン 30-50g
にんにく 小ひとかけ
塩コショウ
ローリエ(あれば)

1、ルクルーゼを温め、サラダ油(あればひまわり油)を敷いて、薄切りにした玉ねぎと細切りのベーコンを炒めます。そこに、直接チョルカで人参とビーツをおろし入れます。あれば、セロリとパプリカも薄切りにして加えます。油が回るくらいまで混ぜたら、トマトペーストまたはケチャップを加え、蓋をして弱火で10-15分待ちます。


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2、キャベツは千切りに、ジャガイモは皮をむいて、7-8ミリ太さの拍子切りにします。

3、1の鍋に水500mlを加え、キャベツとジャガイモ、ローリエ、塩コショウを加え、すべての具材が柔らかく、赤く染まるまで煮ます。

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4、仕上げに、にんにくをすりおろして加え、塩コショウで味を調えます。
お好みで、サワークリームや生のハーブを刻んで入れてどうぞ。
Приятного аппетита!

本来は、牛肉を水から静かに茹でて、ブイヨンбульонを取ることから始めるボルシチですが、モスクワでよく通っていたブリヌイ блины(ロシアのお食事クレープ)屋さんで注文できるボルシチにベーコンが使われていたこと、それと、ウクライナのボルシチには「サーラ сало」と呼ばれる豚脂肪の塩漬けが入れられることを思い出し、ベーコンで代用してみました。

お手軽ですが、ビーツの味わいは本物、レトルトや缶のボルシチなんかよりはるかに本物のボルシチの味わいです。

そして、美味しいのはもちろん翌日!できればこの倍量で作って、翌日も味わってくださいね。

*ビーツ*СВЁКЛА
赤カブと混同されがちですが、本来は、ほうれん草と同じ「アカザ科」の根。ほうれん草の根元の赤い部分と同じ栄養素が、いっぱいに詰まっているので、「飲む輸血」とも言われるほどいろんな栄養素が入っています。鉄分やポリフェノールなど、女性に必要な栄養素もたっぷり。生でサラダにすることもできるので、ビタミンなども採れます。
日本では、長野県を始め、全国で栽培が拡大しています。
収穫は年に一回ですが、ジャガイモと同様、新聞紙などにくるんで正しく保管すれば長期保存できます。新物も美味しく、また茎や葉も炒めて食べられます。