10年前の話…
その時、私は某ショッピングセンターのテナントの美容室でアシスタント一年生として毎日、勤務してました。
そんな、ある日の事…
先輩から
『ファイブ（昼休憩）入って！！』
と指示を受けバックルームで昼ご飯を食べていた。
次々と先輩や同期の仲間がバックルーム隣の消毒室を出たり入ったりしていたので、ひととおり
『お疲れ様です！お先に頂いてます！！』
と私は、皆に声をかけていた。
そして、また消毒室のドアが開いた音が聞こえた。
ガチャ…ｷﾞｨｨｨ…
今度は誰だ？と思いドアのほうを見た時だった。
白いワンピースをきて焦げ茶色のロングヘアーのお客様が入ってきた。
とっさに『あっ、ここ違いますよ！』と言おうとした時…
その女性は、止まらずにそのまま壁に抜けてしまった。
抜けたというか、吸い込まれるように…
スゥ～…っと消えた。
白昼に目の前で起きた出来事に唖然としていると女の先輩が慌てて入ってきた。
『今、長い髪の女の人、こっち来なかった？』
白いワンピースの女の人が消えたと見たままの事を伝えると先輩が青ざめた。
『私も突然、バックルームのドアに入ろうとしている女の人見えたから来たんだけど…』
あとから他のスタッフに確認した所、やはり同じ女性を見たという人と、全く見てないとキレイに意見が割れた。
美容室という様々な人が出入りし、様々な想いが集まる場所だけに、あちらの世界の方も集まりやすいのか…
それとも…対面する鏡台、水場、ウィッグ（頭のマネキン）など引き寄せるモノが揃っているからか…
いずれにせよ…美容室という場所は華やかな反面、そういう出来事が多い場所でもあるのだ…
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