シリアスをめぐる数奇なる歴史・前編~ザンボットからエヴァまで~ | アニメ放送局問題監視審議委員会本部

アニメ放送局問題監視審議委員会本部

私は帰って来た。真の審判者として。

これは、四半世紀以上におけるシリアス関連の歴史について考案する記事である。

1977年のザンボット3。
本作は当時のテレビアニメ界のタブーに挑んだタイトルであった。
そのタブーへと挑むストーリーは賛否を巻き起こし、人間爆弾の回は業界内で大物議を呼んだとされる。
翌々年(1979年)の1stガンダムではさらなるタブーを描き、リアルロボットの始まりとなった。
以後、富野監督は81年のイデオン、85年のZガンダムでもタブーに挑戦してきたのだ。
80年代始め頃はリアルロボット・シリアス路線が台頭していたが中盤ごろからアニメ界は
明るめの路線に再び軌道修正。
シリアス路線はOVAへと舞台を移したのだった。

89年の獣神ライガーでは「メ~テレ版Vガンダム」ともいえるシリアスでおぞましいエピソードが展開されてきた。
しかし、そのシリアス路線を埋没させる事件が獣神ライガー放送年に起きてしまうのだった・・・。
「どっかの馬鹿」のせいで、テレビアニメどころかOVAでも恐怖・シリアス路線が
萎縮し、ある作品は人間ドラマメインなのに評価されるのは数年後になったり、
別の作品はシリーズ打ちきりとなったりしたのだ。

特撮界も被害を受け、怪人が人を殺すシーンに批判が出されたりもしたのだ。

1990年。この年はシリアス路線冬の時代だとされ、バンダイや東映、サンライズ等は
シリアス復権はどうやって行うかについて考えていた。
そこでシリアス路線復権のためにそれぞれが行った物とは・・・
東映…レスキューポリスシリーズを開始させ、「人を災害から救うのも変身ヒーローの行うことである」というメッセージを伝えた。
サンライズ…勇者シリーズ開始。エクスカイザーでは死亡者はラスボスのみとして、
続編ごとにシリアスを強める方式にした。

1991年。シリアス復権は第二段階へ。
東映…ジェットマンでトレンディドラマ要素や単なる勧善懲悪ではないストーリーを展開。
サンライズ…ガンダムF91と0083で「人間同士の命のやり取り」のロボットものへの理解を広めようとした。

1992年。シリアス復権最終段階の年。
東映はセーラームーンやエクシードラフトを、
タツノコプロはテッカマンブレードを投入。
特にセーラームーンは「戦闘系魔法少女」や「属性バトル」の一般化など後年のアニメに大きな影響を与えた。

1993年。ZZ以来のTVシリーズとなるVガンダムが放送された。
当初は勇者シリーズやSDガンダムを想定して主人公を13歳に設定。冒険譚として描かれる予定だったが、
完成した本編は仲間が逮捕されて公開処刑、もう一人のヒロインは家庭内不和から連邦への憎しみでザンスカールに入隊、
など従来のTVアニメのさらなるタブーに挑んだ内容となった。

1994年。東映の新たなシリアス路線タイトル・ブルースワットが開始された。
だが途中でサブタイトルを日本語で分かりやすいものにしたり
シルバニックアーマーなどの新武器の実装が行われる事となった。
東映…ドラゴンボールZ悟飯ハイスクール編のシリアス化(魔人ブウ編に)。2月放送分から鬱展開の始まり。
そしてベジータによるブウの市民への攻撃阻止失敗から鬱展開は本格化(当時の私は
悟天とトランクスが悟飯とベジータのMIAを告げられる回で視聴中断。本編視聴再開は原作連載終了直後のゴテンクス吸収回)。
サンライズ…勇者シリーズはジェイデッカーにてシリアス路線に。
リューナイトは王道ヒーロー路線だがゲストキャラが悲惨な死を遂げる回があるなどシビアな一面も見せる!
Gガンダムでは、格闘ゲーム前提のため主人公の年齢を20歳に設定、ガンダム同士のバトルでSDガンダム・勇者シリーズ世代の取り込みを行った!

1995年。シリアス関連の歴史にとって一度目の運命の年である。
オーレンジャーは当初はシリアス路線を目指していたが当時の社会情勢への配慮から路線変更を余儀なくされた。
ドラゴンボール連載終了。社会情勢による説が囁かれた。
10月初め頃。
ちびまる子ではホームアニメ史上類にもみない「吐き気を催す邪悪」エピソードが放送された。
そして週明け・・・

ついに、創作においてのシリアスエピソードの描き方を激変させたといわれるアニメが放送開始となった。
それが・・・
「新世紀エヴァンゲリオン」!!!




本作は難解な謎解きや特撮のオマージュ、
誰が敵で誰が味方か分からない展開など
後年のアニメのエポックメイキングタイトルとなった。

エヴァブームの1996年へと続く・・・