熊谷高等学校の後輩(だいぶ学年は下だけど)であり、大ヒット書籍「こども六法」の著者としても名の知られている山崎聡一郎(やまそー)くんが脚本・演出した、

オリジナルAIミュージカル

「AI-WRI-EN(エイリアン)」

のゲネプロを観劇させていただきました。





この作品、非常に興味深く、まず脚本執筆にChatGPT(文章生成AI)を使用しています。そして、物語の内容も、まさに「AIを使って脚本を書く」という内容。



【あらすじ(公式)】


脚本家の詩月、会社員の暁葵が暮らす平和な家庭では、スマートホームデバイス「AI-WRI-EN」が活用されていた。詩月は脚本家として多忙であったが、それ故に自分の志す物語を執筆できずにいた。一方、会社員として安定した生活を送っていた暁葵は、物語にしたい構想を胸に抱いていたものの、それを形にすることができないでいた。

ある日、ソフトウェアアップデートによって、AI-WRI-ENの文章作成能力が飛躍的に向上する。暁葵はその新機能を活用して構想を形にしていく。暁葵がささやかな成功を重ねていく様子を見守り、応援する詩月だったが・・



まず、この物語は今から3年後の未来を描いているのですが、登場人物たちが、AIを活用して暮らす様子がリアルで「確かに便利だなぁ」と感じるところからスタートします。


そんな中でも、結局は日常社会の中で感じる生き辛さや、葛藤は変わらずにあって、もがきながら彼らが生きているのも別の意味でのリアル。


ところがある日、AIが更なる進化(アップデート)を遂げることで、今まで叶わなかったことが少しずつ出来るようになり、そんなAI技術に嫉妬や恐怖を抱きながらも、それを活用することでむしろ人間の能力や感情が拡張されていくのを感じるのでした。



数日前のChatGPT講座

実は以前からChatGPTには興味があり、少しだけ触れてはみたものの、今ひとつ使い方がわからずにいたのですが、今回、やまそーくんが『ChatGPTを使って脚本を書いた』というこの作品の存在を知ったことで、再度ChatGPTに興味が湧いたのがキッカケで、先日ミリオーネン・オンラインスクール特別講座「音楽家のためのChatGPT徹底活用法」を大間哲さんに講義していただいたのでした。


先日学んだばかりだったので、この「AI-WRI-EN」がものすごくリアルに、そして身近に感じました。





感想


さてさて、ゲネプロとはいえ、全力で演じられていた演者さんたち。素晴らしかったです。


サロン的な空間での公演ということで、本当に目の前の同じフロアで芝居が展開していくのは、観ているこちらですら一種の緊張感があります。


そんな中で、リアルな芝居と歌唱。抑制された中で大きな感情の動きがしっかりと見て取れました。


久田奈美さんの作曲、石渡裕貴くんのピアノ演奏(ピアノプレイヤーは公演毎に交代制)、そして演者の養田隆矢さん、石丸椎菜さん、皆さん素晴らしかったです。


やまそーくんも現場では音響と照明をワンオペでこなしていて、この人はどこまで多彩なのだ…限られた空間を様々な場面に見せたり、時間の経過を感じさせたり、様々な工夫が施されていて、演出的にも優れた公演でした。きっと役者さんとも話し合いながら、ワンチームで作った舞台なのだろうな…その雰囲気も伝わってきて好感。


また、公演形態も期間を空けたクアトロ・キャストで、今後キャストを差し替えながらのロングランも可能になるかもしれません。


いずれにせよ、あらゆる角度から見てもワクワクが止まらないオリジナルAIミュージカル。今後の展開に期待です。






そういえば…同じくゲネプロを観劇していた、この人に会いました。


2013「レミゼラブル」でご一緒した安倍三博くん