「ここは私の駆け込み寺です」と言って通い始めて下さったAさんは、義父である舅と同居する専業主婦


夫君の転勤を機に、義父とも同居することになりました


ご自分から、不満を漏らすような方ではないのですが、お話を繋ぎ合わせ、身体の状態と照らしてみると


活動的なAさんにとって、義父の生活リズムに合わせて全ての予定を組むのに相当なストレスを感じていらっしゃる


夫や子供の帰りが遅くても義父のために6時までには夕食を準備しなくてはならない


義父はリタイアして身体は丈夫。庭の手入れ等Aさをは手を出せない部分がある


義父の方でも実は家事にも細かいところで手出しがしたいらしい


「この前旅行から帰ってきたら、冷蔵庫と棚が全部整理してあった」そうです


多分、お互い礼儀正しすぎるために面と向かって自分の要求を伝えられず、それが新たなストレスを生んでいるのです


「今日出てくる時にこちらに伺うと言ったら、自分も肩がこっているから行きたい、と言うんです。聞こえないふりをして出て来ちゃいました」


Aさんの精一杯の抵抗だったのだと思います


どの立場に立つかで、意見も分かれると思います


Aさんは、心の狭い嫁でしょうか?


Aさんにしてみれば、今までは夫と子供の世話だけしていれば良かった


今は突然の同居で、リズムも掴めないままに長男の嫁としての責務を果たさなければなりません


私の所を駆け込み寺と、思って下さるのに、義父と接点が出来てしまっては落ち着けない


義父にしてみれば、嫁の世界は外部との接点を拡げてくれるもの


内科や歯科も最近、この土地では新参のAさんが通う医院に変えたそうです


そして私の立場からは、まず、新規の患者さんを一人失いました(笑)


内科や歯科は共通でも、施術中、心の問題にも踏み込むことになる私を共有するのが嫌だ、というお気持ちはよくわかります


もちろん守秘義務は鍼灸師にもあります


Aさんが、私をまだその部分で信用できないのなら、責任は私にあります


もしくは、家の中の事をある程度仕分けして、義父に任せたり、たまには同意を得て夜まで外出することに罪悪感を感じないような、鍼灸師でも何でも共有できるような心の状態を作る施術が、一度で出来ないという意味で、やはり私には責任があります


Aさんの身体の不調は、ある程度仕分けしたら責任ごと放棄するということのできない、そうした心持ちによっても作られているからです


Aさんは前に通っていらした、ベッドをカーテンで仕切った鍼灸院では気兼ねでリラックスすることができなかったそうです。隣の会話が聞こえるのも、ご自分の話しが漏れるのも嫌だった、と


どんなスタイルを選ぶかは患者さんにとっても施術者にとっても、もちろん自由です。今回はAさんと私の好みが一致したというだけです


ただ、ここにもAさんの繊細さが顕れています


義理の父君が私の施術を受けて下さるようになった時、Aさんと義理の父君にとっては、新たな関係を築いたという以上の


そして私にとっても患者さんが一人増えたという以上の意味ある未来が生まれることになるでしょう


鍼灸・マッサージ


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