を書いた後に、あることを思い出しました。
「笑うカイチュウ」の著者で、ご自分でも「きよみちゃん」(当時)と名づけたサナダムシをお腹で飼っていらっしゃる藤田紘一郎先生の講演を聴いたときの話です
サナダムシを飼うと、アレルギーが治ってしまうのを発見した先生の元には、重度のアレルギーに悩む方々が、「サナダムシ」を飲ませてくれと、ひっきりなしにやってくるそうです。「しかし、私のところへ来られても、差し上げられる虫はありません」ということでした。
しかし、アレルギーを抑えられるということはわかっている。当然先生も、アレルギーを抑制する物質を抽出し、それを薬品として精製することに成功しました。そのほうが、サナダムシを飲むよりずっと簡単です。
ところが、その薬品の投与によって何が起こるか
癌になってしまう
残念ながら、確かにアレルギー症状を抑制するのだけれども、同時にウィルスの侵入や癌の発生に対する防衛機構である「インターフェロン」まで抑制してしまうことがわかったそうです
免疫を抑制することでアレルギー症状を軽くするプロトピックの副作用も、同じく癌になることです
人間よりサナダムシのほうが首尾よく仕事をやり遂げる・・・と見るか?または、自然の仕組みに学んだとしても、それに人為的な操作を加えるということは、必ずしも自然を再現したことにはならないという、遠大なる真理にまで思いを馳せるか・・・
私は、今ひとつの別の話も思い出しました
アラジン1でしたか?ディズニーファンの子供にも親しまれそうな抑制物質が発見されたらしいのですが、発見自体なら、藤田先生もしていた。そして抽出にも薬品加工にも成功していた。しかし、商品化はできなかった
私は、皮膚科でプロトピックを薦められた時、免疫抑制物質なんて怖いと感じました。その後に、プロトピックの副作用が「発がん性」であると聞いても驚きませんでした。「やっぱり」と思っただけです。実際に使用していないので、傍観できます
そして、上記の「アラジン1がアレルギーを抑制するのではないかと期待されている」という記事を読んでも、「抑制ばっかりしてバランスはとれるのかな?」と感じます。
藤田先生の研究が実用化できなかったのは、アレルギーを抑制する(Th2の過剰を抑える)と、バランスが崩れるために自己免疫疾患を発生させてしまうからだったのです
薬の副作用、というのは大抵こういう仕組みで起きています。
社会生活でも、「出る杭」さえ打てば全てが丸く治まるわけではありません。ものね