しきりに子育てでは「ほめて伸ばす」ということが言われます。しかしほめて伸ばすためにはいくつか条件があります。そのなかでも一番大事なのは、「ほめる」ことと「煽てる(おだてる)」ことは違うということです。
煽ては操作です
問題は励ましの言葉ではなく、その言葉にかくされたメッセージです。
いくら「励ましを受けて育った子は自信を持ちます」と言っても、心に葛藤のある親が励ましたら子供は自信を持つようにはなりません。「頑張れ」が子供に励みではなく逆にプレッシャーになるのは「頑張れ!」という親が子供に結果を期待しているからなのです。
プレッシャーをかける親が深刻な劣等感を持っていて、自分がなりたい自分になれなかったということを本心から認めていなかったとしたら問題は根深いものとなります。というのも、親は自分の心の傷を癒そうとして意識して子供にプレッシャーをかけているのではなく、無意識でかけてしまっているからです。
肝腎なのは「子供をほめる親が情緒的に成熟した人間か?」ということです
オーストラリアの精神科医ベラン・ウルフは「人は相手の無意識の動機に反応する」と言っています。
したがって同じようにほめても、子育てがうまくいく人とうまくいかない人がいる訳です。
親が自分に気づけば子供は育つ
『こどもを伸ばす魔法の11か条 ~ アメリカインディアンの教え 加藤諦三』
ずいぶん長く引用しましたが、たまたまTSUTAYAの古本でみつけた本が我が意を得たりの連続だったので借用させて頂きました。
子育てに限らず、人間関係全般において言えることですが
自分に気づく
特に、自分の葛藤に気づく
ことは、大変に重要なことだと思います。
問題は、葛藤に気づくことが大変に難しい点です
親自身の葛藤がとりわけ子育てにおいて問題になるのは、
親の本音が A(例えば学歴)
親の建前が B(例えば技術)であった場合に、子供はAを採用してもBを採用しても親を満足させられないという葛藤を背負うことになります
なぜなら、親自身が、AにもBにも実は不満を感じていて、どちらにも結果的に満足することを子供はわかっているからです。
親は、子供が「本当はAなんだろう?」と言えば、怒ります
子供がBを採用(例えば大工さんに弟子入り)しても、やはり落胆します
親を喜ばせたいと願う子供は(そしてほとんどの子供が時には年齢に関係なく親を喜ばせたいと思っています)結果的にどちらを選んだとしても、親を満足させることができなかった自分に罪悪感を抱かなければならない。こうしたシステムで成り立っている家庭というのが現実にたくさんあるのです。
特別な家庭ではありません。いたって普通の家庭です。
ただし、こうして客観視してみると、その問題点も子供の心身に与える影響もよく見えてくると思います。
「ペアレンテクトミー」という治療法があるそうです
気管支炎、喘息その他の病気の治療で子供を両親から分離すると症状が軽くなることがあるというものです。
治療法として採用されているとは!
親の一人として耳が痛いどころか、本当に申し訳ない。
上記の加藤諦三さんの本には、
批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
敵意に満ちた中で育った子は誰とでも戦います
心が寛大な人の中で育った子はがまん強くなります
などの11ヶ条が書かれています。
しかし、上にあげた例のように「ほめている」つもりでも「おだてているだけ」「お世辞を言っているだけ」ということも少なくありません。
見出しの言葉を見れば、なんとなく理解できたように思ってしまいますが、「心が寛大」という意だけでも、やはり内容を読んでみると、理解も深まりましたし、自分で誤解していた箇所に気づくこともできました。
自分に気づくことはとても難しい
大人は他人から批判される機会が年々減っていきますし、友人は同じような考え方を持っている場合が多いので、気付きを与えるほどのヒントをくれない場合が多いものです。
唯一意見をしてくれる親(子供から見ると祖父母)は、親に葛藤を植え付けた張本人だったりします(笑)
気づくことは難しいのですが、「こういうところが自分にもあるかも!?」と、もしも思われたとしたら、上の加藤諦三さんの本はとても参考になります。
子育ての本の体裁をとっていますが、自己啓発の本としても十分に活用することができます
私もずいぶん前から見かけた記憶があるので、(でも、なぜか今までは買おうとは思いませんでした。なぜでしょうね?たぶん慢心でしょうね、反省)初版からかなりたっていると思います。
古本屋さんにもたくさん出ていると思います
私も火急的速やかに精進している最中であります
HPです↓
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