本を読むたびに、「また世界のヒミツが書いてある」と思います。
ほとんどの本に書いてある。

世界のヒミツというのは、陰謀論であったり、宇宙の法則であったり、もっと単純に人生を生きる上での秘訣だったりするのですが、どれも作家からの「気づいてくれ」というメッセージが込められています。


読書をすれば、何かしら得る所があるというのは、昔から読書感想文を書かされた覚えのある我々にはお約束、ですが、そうは言っても、芥川龍之介が言いたかった事と村上春樹やよしもとばななが伝えたい事は明らかに違います。
村上春樹のヘミシンクか!?小説にも、「会社の意向に従順に行動していながら、自分で考えて行動していると思い込む人々を作るための自己啓発セミナー主催で財をなした」人が出てきましたね。これ、実生活で渦中にいながら気づかなければホラーですが、実際は良くある事なんですものね。


切羽詰まっている。
ああ、時間がないのだなあ、と感じます。


よしもとばななはホ・オポノポノや、ウィリアム・レーネンとの対談など、スピ系には引っ張りだこの存在ですから、当然と言えば当然ですが
「あれ?とうとうこんなにはっきり言っちゃってる」と驚いたのが
ハンバーグ屋さんの看板娘のお話「ジュージュー」


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まずは核心のあとがき


昔、プリンスがほほに「SLAVE」と書いていたときは、なにかの冗談か行き過ぎた風刺だろう、と思ったのですが、最近になってほんとうにわかってきました。あれは本気だし、本当だったんだ、私たちの自由は、あらゆる意味で奴隷の自由なのだと。
カスタネダもそう言っていたし、とても多くの人がそのことに気づいています。
「だから革命を」という主張ではなく、私はおとぎ話に置き換えながら、奴隷の自由の無限の可能性を描きたいと思っています。
人間は大地にはりついて、体という制限を持ちながら、寿命までせいいっぱい生きる生き物です。それはとても空しい、しかしすばらしいことだと思っています。





そして全編にわたって「気づいてくれ」満載の中から




「私の町は最高だなあ、…だれをとってもみんなおかしく、実力不足のものはいないけど、偏っていて助け合える。
私たちは水槽の中の藻、いや、微生物みたいに、つながりあってひとつの命になっている。
それぞれの私生活、いろんな側面を持ちながらもつながりあって、広がっている。無限にだ。
この無限はわずかな隙間に実ははてしなく広がっているから、他からみたらただのハンバーグ屋に見えるのだが、ジュージューをめぐるこの宇宙は実はものすごい広大さそして濃厚さなのだ。今なのに全てを内包して、宇宙の星々と同じに、命にあふれた太古の海のように。

実はだれもかれもみんなそういうふうになっているんだけれど、社会が成り立たなくなるから気づかれたら困ると思うなにものかにうまく隠されているから、なかなか気づかない。

そして、芸術家は、ハンバーグ屋は、科学者は、

とにかくこの世の秘密をあばきたい全ての個人たちは、常にそれをあばこうとし続けている。

この追いかけっこが最高にスリリングなのだ。



こんな感じ
とにかく「気づいてくれ」オーラ満載なので、よろしければそれぞれの気づきを満喫してみて下さい。