現在オーストラリアに住んでいる友人から聞いたボランティアが"calming presence"

直訳すると「穏やかな存在」とでも言いましょうか。役割としては「鎮めるためにただ在る」という感じでしょうか。


友人がしているのは緩和ケアのボランティア。在宅介護をしている家庭への訪問が主です。緩和ケアは、がんの末期などの患者さんに対するケアですから、特に緩和ケアのボランティアを希望する人は多く無いのだそうです。


友人は昨年、イギリス人の父を亡くし、その際にイギリスで行われている緩和ケアの「最期まで患者ではなく人として扱ってくれる」仕組みに感謝した経験から、訓練を受けて自分もボランティアを始めたのだそうです


日本では傾聴ボランティアが、イメージとしてはやや近いのでしょうか。
イギリスのケースでは、例えば腫瘍が脳に転移して暴れてしまう患者さんの元には、屈強なボランティアが速やかに派遣されるのだそうです。

そしてただ病室に座っている。


友人のしているボランティアも介護している家族が買い物や美容院に数時間出かける間、ただ患者さんの側にいる、ということもあるそうです。まさにcalming presence


アメリカの法廷では、事件の被害者になった子供が証言しなければならないようなケースで、法定前の控え室に訓練されたセラピードッグがいるのもcalming presence

トラウマ、PTSDのある退役軍人の法廷控え室にもボランティアのセラピードッグがいるのもcalming presenceとして紹介されていました


家庭でのペットもcalming presenceですよね

ただ居る
穏やかな存在
鎮めるために存在している


ボランティアに限らず、ついつい「何かしなければ」「役に立たなければ」と考えてしまいますが


本当は誰でも
ただ居る
だけで充分なんですよね


とかく手を出しがちな自分に自戒の念を込めつつcalming presenceという言葉を噛み締めたのでした


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