スポーツウェアのシャツは、ほとんどがポリエステル。
部活で毎日長袖を着なくてはならない娘が肘にあせもを作って帰ってきた。UVカット、吸汗速乾、伸縮自在などの機能繊維も今年の猛暑では限界がある模様。
あまりの猛暑に今年は各所で「化繊は肌に張り付く~」という話しも何度も聞いた。
夏の衣類の快適性は
熱と汗(湿気)をいかに素早く吸収し、発散するか。
ポリエステルは素材自体が熱を帯びるから着ていて暑いし、通気性が低いので汗をかくと肌に張り付く。
綿は、吸水性は高いが、速乾性がないので汗をかくといつまでもじっとり湿ってしまう。洗濯後の衣類でも生乾きだと臭う訳で、汗をかいたままの状態で生乾き。多分、綿の服は昼前には汚れた雑巾と同じくらいに雑菌が繁殖している。
なるほど、だからキツイ香りの柔軟剤が流行るのね。
麻なら吸水性は綿の4倍、速乾性と通気性にも優れているので、汗をかいても当然綿ほど臭わない。ポリエステルのように肌にも張り付かない。
ヘンプ(おお麻、指定外繊維)に至っては、抗菌・消臭性、UVカットもする。
麻の事が頭から離れなくなって、調べれば調べるほど疑問が湧いてくる
「なぜ、みな必死になってヘンプを無視して機能繊維を開発するのだ!?」
以下家庭で簡単に扱える麻・綿・ポリエステルを比較
《吸水性・吸湿性》
麻(リネン・ラミー・ヘンプ) ◯
綿 ◯
ポリエステル ×
麻の吸水性は綿の4倍
《速乾性》
麻 ◯
綿 ×
ポリエステル ◯
《洗濯耐久性》
強度
麻 ◯
綿 △
ポリエステル ◯
汚れ落ち
麻 ◯
綿 ×
ポリエステル × (特殊加工を除く)
《縮率》
麻 10%
綿 1~2%
ポリエステル ほぼ0
《色落ち・色移り》
麻 する
綿 する
ポリエステル しない
《抗菌・制(殺)菌・消臭》(特殊加工なし)
ヘンプ ◯
綿 ×
ポリエステル ×
《紫外線カット率》
【条件】
・ 市販されているシャツの生地と同じ織り方で、すべて0.2mm程の厚さ
・ 紫外線照射装置から出る紫外線量の値はおよそ1.586
・ 市販されているシャツの生地と同じ織り方で、すべて0.2mm程の厚さ
・ 紫外線照射装置から出る紫外線量の値はおよそ1.586
・繊維はいずれも100%のもの
【結果】
綿:0.507 [紫外線カット率68%]
麻:0.697 [紫外線カット率56%]
ポリエステル:0.158 [紫外線カット率90%]
化学繊維は機能性を重視して作られているため、紫外線のカット率が高い。
【結果】
綿:0.507 [紫外線カット率68%]
麻:0.697 [紫外線カット率56%]
ポリエステル:0.158 [紫外線カット率90%]
化学繊維は機能性を重視して作られているため、紫外線のカット率が高い。
(紫外線カット率検証 日テレより)
※上記の検証では触れられていないが、化学繊維は熱を持ちやすく通気性が低いので、UVカットはするが、夏の衣類や日傘には不向き。
因みにヘンプ(おお麻、指定外繊維)の紫外線カット率 90~95%
《栽培時の農薬殺虫剤》
ヘンプ 不要
綿 基本たくさん必要
(そのためオーガニックコットンは遺伝子組換えをしているケースもある)
要するに効率・コストと大量生産大量消費を第一義に考えるとヘンプは無視されるのね。
おお麻(ヘンプ)は、漢字では大麻
それで、栽培が制限されているのだけれども、漢方では薬効の面から増産と使用許可を求める声が根強い。
他にも、麻の実やオイルの健康面への効能や、燃料としての活用など、話半分としても産業用ヘンプには、十分すぎるほどの利用価値があるように思えるのよねー。
現在、国産のヘンプ(原料)はほとんど神事用途にしか生産されていないので、服地として手に入れる事が出来ないのは残念ですな。(外国産原料、国内織はあり)
娘のあせもは麻(リネン)の長袖シャツに変えて解消致しました。