素材の特徴というレポートを仕上げていた小学生の娘が「ポリエステルとかナイロンって布って呼べるの?」とつぶやきました。
麻や綿との比較から合成繊維の
原料: 石油、極めて吸水性が低い、廃棄するときはプラスチックゴミとして分別、という項目を見て素朴な疑問が生まれたようです。


素朴な疑問のパワーってスゴイよねー。



ナイロンやポリエステルが次々に開発された当時には、加工が容易で大量生産が出来て安価。発色も良く、型崩れがしにくい合成繊維は市場に大歓迎されたでしょう。



シワになりにくくて乾きやすいという特徴は家事の効率アップにもなって、学校制服や体操服の大部分がポリエステル(または綿との混紡)になった事で我々母親の負担を減らしてくれました。


けれども今、石油燃料など天然資源の限界、気候変動、表土の流出、環境汚染など効率化を最重要視したその当時には想像もつかなかった出来事が明らかになってきました。
アレルギーなどの治りにくい疾患も増えています。


私は前職が労働機関だったので、効率化を優先するためには、人の力がどれだけ動き、どれだけの化学物質と資源が使われ、どれだけの環境が失われるか国際規模でも見てきました。

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ヒート機能、UVカット、速乾、高吸収、防臭抗菌機能、現在様々な高機能加工された繊維の衣類を私たちは選ぶことができます。


もっと良く!もっとこれも!と追求して生まれた高機能繊維は我々の生活を手軽にしてくれました。けれども、一つ加工が増えれば、動力も燃料も化学物質もその度に使わなければならない。


効率的で高機能の物は、最終的に消費者の手間を減らすけれども、生産過程では足し算の繰り返しのようです。足し算に使った地球の資源はその分マイナスになります。


それなら、消費者が少しだけ手間を惜しまなければ、地球から借りるマイナスを少しでも減らす事ができるかもしれない。


地球から借りぐらしの私たち人間の、少しでも多くの大人が、子供たちが暮らす未来の環境に必要以上のマイナスを増やさないために、効率化に向かっているベクトルを変える決意をしようよ、ね。