湯文字の製作を考え始めた時、素材には品質の良い日本製の襦袢地を使うことにしたのですが、すぐに問題に突き当たりました

それは
「絹(の長襦袢)は自宅で洗えない」こと

日常的に身に着ける下着をいちいちクリーニングに出すなんて、、、
私だったらお手入れの手間が面倒で手を出すのをやめてしまいます。

なぜ、絹は自宅で洗えないのか?
どうすれば洗えるようになるのか?

自分でも絹を洗ってみたり実験を繰り返しながら
悉皆屋さん(着物の洗い張りなどの職人さん)のお話、呉服屋さんの知恵や工夫などの情報を片っ端から集めました。

中には洗える絹、として化学的な加工を施した反物もありましたが
素人の私から見ると、それは絹にビニールをコーティングしたもののように思えました。


そしてついに、呉服屋さんや日常的に着物をお召の方々が「最後にたどり着いた襦袢」として紹介していたのが京都の浅見株式会社さんの襦袢地にたどり着きました

浅見株式会社さんでは
強くすべりの良い生地と
自宅で洗っても風合いを損なわない襦袢地
を作る工夫をとことん追求しています

絹は擦れに弱く、座るときなどにもお尻の周りには大きな力が加わるため、長襦袢には居敷当てという当て布をあらかじめ縫い付けておきます
反物は背中の中心に当たる線で縫い合わせてあり、生地が引っ張られて強い力がかかると生地が裂けることもあるからです


ところが、浅見さんの襦袢地は
生地を引っ張ると糸のほうが切れてしまうほど丈夫に作られています


浅見さんから実験用の布地を頂いて実際に試してみました


力を込めて引っ張ると

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糸のほうが切れてしまいます

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お見事!
常識は熱意で覆すことができるのですね


着物のヘビーユーザーの方々は、あさみの襦袢なら自分で洗っても大丈夫と口をそろえておっしゃいます。


けれども、
浅見株式会社さん自体は、JISの洗濯規格に適合しないという理由で「洗える」という表記はしていません。


今回私自身が絹を洗ってみたり
浅見さんからも反物を複数本頂いて

絹は生き物だ、と気づきました。
同じように加工して頂いても、出来上がりの寸法などがわずかに違ってくることがあるのです。
誤差はそんなに大きくはありません

しかし、毎回ぴったり同じではない
浅見さんが「洗える」と表記しないのは、そんな理由もあるのかもしれません


とはいえ、顧客はみんな洗ってしまっています

仕立て前に浅見さんでさらに水と蒸気だけしか使わない加工を施して頂けるので
自宅で洗っても限りなく風合いを保つことができることを皆さまご存じだからですね

5月に30度を超える現在のジャパンでは、
当然長襦袢は頻繁に自宅で洗いたい


しなやかで着心地最高の正絹襦袢地が自宅で洗える
しかも丈夫
着物マニアには夢のような条件がそろったわけで
浅見さんの襦袢地は染や加工が間に合わず
呉服屋さんで在庫があればラッキー
運よく注文ができても数か月待ちの状態が続いています


私も3月の注文分がまだ手元に届きません 


でも思い立ったらすぐに欲しいのが人情
ご自分サイズにお仕立てしたい方のために

自宅で洗っても風合を損ないにくい加工済みの反物を数本ご用意しました


前々からあさみが気になっていた
やっぱり絹の襦袢が心地良い
という方はこの機会に是非

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