感慨

テーマ:

何はともあれここまで生きてきたのだ。そのことに対していくばくかの感慨も持っている。今ここから私は君に話しかける。君は誰だろうか。今日も家に帰ってきた。帰っても帰ってもまだ帰れない気がする。いつでも帰りたいと思っている。どこに、どこにだろうか。私の家。

出自ということを考える。出自、私の出自。私はそういったことを語るのが苦手だ。それをしてきちんとわかってもらえたことなどないような気がする。本当はそんなことも、ないのかもしれない。だけど、だけども自分のことを語る事は私を苦しませる。しかし私はむしろそのために語らなくてはならないだろう。言い淀み語ることの難しい人々のために。

AD
今週はバータイムのPRONTから。音楽はボサノバっぽい女性の歌の曲がかかっています。ランブルスコ(イタリアの発泡赤ワイン)があんまり美味しそうだったので、珍しくアルコール飲みながらです。

今月は観劇が多すぎてちと書ききれないほどです。なんでかというと今月一杯で25歳が終わってしまうため、通常料金がとてつもなく高額ながら25歳以下だと安く観られるオペラなどを駆け込みで観に行っているから、なのですが。そのため今まで観に行っていなかったものを結構立て続けに観ています。
オペラ二本。
新国の『セビリアの理髪師』と
東京文化会館の『オペラ 眠れる美女』
いや、豪華ですオペラ。『セビリアの〜』の嵐のシーンとか、特に意味もなく電線が切れて火が出たりしていて、無駄な豪華さを堪能できました。
『眠れる美女』はペローの童話ではなく川端康成の小説のオペラ化で、芝居、コンテンポラリーダンス、オペラの歌唱が同時に出てくる、という、なかなか珍しい作品でしたが川端康成の世界観はかなり出ていたような気はします。かなりグロテスクな作品なので(スプラッターな意味ではなく)困惑したお客さんは多いかもしれないけど。川端作品はああいう感じだからそれは仕方ない。かな。歌が英語だったのですが、初めて英語の響きに美しさを感じました。"golden arrows"とか"白い花、白い蝶の群れ"とか。(下記の『一万人の〜』で『ロミオとジュリエット』をやるのを観ていたためか、薬で死んだように眠る少女というときにふとジュリエットを思い出したりしました。)

その何日か前には、さいたまで『1万人のゴールドシアター』を観ました。(これもまた凄まじいものでした。たくさんの人間が何個かの生きた塊みたいにみえました。人間が個人というより現象みたいにみえた。)

京都に行って8時間の『繻子の靴』を観たり。(全編芝居の4夜が一番面白く観られた。)
とまあ、なんだか大作が目白押しだった12月の前半だったのでした。
{507CAA9E-703F-48E6-827C-EF67EFE850B9}
↑手帳の落書き。
F/Tでみたスザンネ・リンケ『ドーレホイヤーに捧ぐ『人間の情念』『アフェクテ』『エフェクテ』』も面白かったのだ。