アイドルが憲法を学んだ


2014年07月27日
朝日新聞「天声人語」


 アイドルグループAKB48のメンバーで慶応大1年の内山奈月(なつき)さんは、幼い頃から文章の暗記を特技としている。憲法も覚えていて、たとえば決して短くはない9条をひと息にいうことができる▼彼女を生徒役にして専門家に憲法を講義してもらったらどうか。そんなアイデアを、AKBの育ての親で作詞家の秋元康さんがインタビューで口にした。出版社が乗った。こうして九州大准教授の南野森(みなみの・しげる)さんによる講義録が共著のかたちで先ごろ出た。『憲法主義』という▼一読して生徒役の知識と思考力に驚く。国民が選挙で直接選ぶ首相公選制について「人気投票みたいになって、政治が安定しなくなる」と述べる。比例代表制と小選挙区制の違いも理解している。南野さんが「そんなこと誰に聞いたの」と尋ねるほどだ▼講義をしたのは2月。内山さんはまだ高3だった。南野さんが感心するように「いい先生」に教わってきたのだろう。質問も鋭い。結果、ファン向けだけではない、本格的な入門書に仕上がった▼人々が陥りがちな誤解を解きながら話は進む。「憲法は誰を対象にしてるの?」「その国の国民」「ではないのです」「えっ?」。憲法とは国家権力が守るべき決まり事で、国民が守るべき法律とは反対向きだということが説明される▼アイドルへの講義という依頼に南野さんは迷ったという。だが、憲法への無理解が大手を振る現状に危機感を強め、引き受けた。その思いは優れた聞き手を通じ読者に届くに違いない。





ちなみにAKBのファンとして知られる漫画家の小林よしのりさんも、ブログ(2014.7.23)で以下のように絶賛している。


AKB48内山奈月が凄すぎる!

 
AKB48のなっきー(内山奈月)と憲法学者の南野森氏の『憲法主義』(PHP研究所)をざっと読んだ。

なっきーは現行憲法の条文を暗記していて、コンサートで披露していたが、凄い暗記力だと思う反面、護憲派の教師に影響受けてないかと案じてもいた。

なっきーが講義を受ける学者が、護憲派か、改憲派かということも問題なので、読んでみたが、ちゃんとした憲法学者で良かった。

憲法は、護憲派、改憲派の対立を超えて、基本的な知識は必要である。

現在の憲法談義が、「憲法とは何か?」すら理解してない政治家や言論人によって進められているので、この本は中立的な位置から見ても、優れた入門書になっている。

なっきーの受け答えやレポートを見ても、相当に頭がいい子だとわかる。

AKBの中では一番頭がいいだろうし、憲法の知識に関しては、はっきり言って、最近の政治家はこのレベルに達してない。

自民党の憲法改正草案を見ても、内山奈月以下だということは断言できる。

それにしても、なっきーの頭の良さと、あの幼い顔、しゃべり方には、驚くべきギャップがある。

今後はわしの推しメン、ベスト5に入れて、総選挙では票も入れることにしよう。




アイドル評論家の中森明夫さんもツイート。








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