- 翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)/文藝春秋
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今回はちょっと歌詞の和訳は小休止して、
読んだ本を紹介します
このブログでまがりなりにも翻訳してるからか
思わず手にとってしまいました。
村上 春樹さんが、サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を訳したときに、
(たしか)同時に出版された、解説本です。
もう10年前になるんですね~
読んでいて、このブログに対するモチベーションもあがりましたよ
翻訳は、感覚的なところも多いし、
自分の主観があってもいいんだ、と。
村上春樹さんは、主人公の妹フィービーが、主人公を呼び掛けるときに出てくる"You"について、
絶対に「お兄ちゃん」とは訳さず、「あなた」と訳されたと書かれていました。
それは「お兄ちゃん」と書くと、どうしてもフィービーがリアルな妹になるけれど、
村上春樹さんにとっては、
フィービーはホールデンの「自己の一部」であり、「鏡に映った別の姿」だから
あなたという訳語を選んだと話されていて、
あ~なるほどな~と感心してしまいました