今月の劇団企画の記事はどうやら、地元の祭り
とのこと。
(他の劇団員ブログはこちらだ http://mokuseivoyager14.blog.fc2.com/blog-entry-114.html)

実家の祭り、と解釈して考えてみる。

そういえば、大きなものから小さなものまで、祭りがいっぱいあった気がする。

団地が近所に二か所あったので、そこの祭り。
公園のお祭りが二か所ほど。
川沿いでやっていたお祭りが一つ。

お祭り大好き子どもだったぼくはそのすべてに通い、なけなしのお小遣いのほとんどを使い込んでしまって親からいつも怒られていた気がする。

ほしいものを買ってそれをいまでも大切にとってある、だとか、祭りに女の子と二人で行った思い出。だとか特別な記憶は地元の祭りには抱いていないのかもしれない。しかし、中学校に入るまでの6年間はだいたい仲の良い友だちと遊びに行っていた。
この記憶はある。

あと、そこまで仲のよくなかった友だちが、出店で当時流行っていた遊戯王カードのエクゾディア―右足、左足、右腕、左腕、顔の五枚を手札に揃えるとゲームに勝てる―を5枚そろえて買った、というので、ある友だちから非難されていたのは覚えている。
「金でレアカードを買うな、自分で引き当てろ。」
 という言い分だったのだけれども、その事を熱弁していた彼がサーチと呼ばれている方法で―カードのパッケージの印刷ズレだとかによってレアカードが入っていることがわかるんだとか―レアカードを集めていてたことをみんな知っていたので、「どっちもどっちなんじゃあ。」と、思いながらも、実際ぼくらも彼のサーチの恩恵に預かってなかなか見ることのできなかったレアカードと対戦して「うわぁ!マンガに出てたあのカードだ!クソ強ぇ!」という体験をさせて頂いたり、運よく引き当てたレアカードと交換してハイな資本のやり取りの疑似体験をさせてもらったりしていたので、内心「どっちでもいい」とは思いつつ、サーチの彼に味方するようにぼくらも「金でレアカードを買うな」のスローガンを掲げることにした。
 後日その派閥に入っていたおかげで、ぼくたちはサーチのやり方を教えてもらい、一時期仲間内では全員なんらかのレアカードを所持し、それを主体にデッキを組んでのデュエルが流行っていくことになるのだが、そうしたサーチ行為の横行によってパックが売れ悩む店側はサーチ対策をとるようになった。
 ディスプレイの中にパックを入れ、番号でそのパックを購入するようになっていくのだ。こうしてサーチ行為はなくなっていき、たしかその少しあとくらいだったか、遊戯王カードをプレイする人たちは友だちの間で激減していった。もちろん僕もやらなくなった。そもそも飽き性が激しいのでその少し前くらいからあまり興味がなくなっていたのも事実だ。
 結局資本がものをいうので、そんなにお金持ちではないぼくらは沢山カードを買ったりできなかったというのもある。そしてカードゲームの代わりに、ドカベンがどうしてかはわからないがクラスの中で流行っていたので、今度は野球がブームになった。そして今度は野球カードが流行るようになる。
 次の年のお祭りでは出店の野球カードにくぎ付けになっていた。買おうかどうしようか悩んだけども、買わなかった。
 サーチを教えてくれた彼がその後もカードゲームを続け、「レアカードを金で買う」ようになったのかどうかはわからない。でも、確か中学校3年生くらいの時まではカードゲームにはまっていた気がする。中学校三年生のときに同じクラスになって、家に遊びにいったとき、まったく見たことがないレアカードを沢山みせてくれた。その時すでにロック音楽にはまり、家でギターを弾いていた僕にはどんなレアカードにもまるで興味がなかったのだけれども、たくさんのレアカードを見ていると若干のノスタルジィを感じたのだった。