8.イタチの仲間・・・クロテン、ミンク、ニホンイタチ、オコジョ、イイズナ | 手稲山・発寒川からの手紙

手稲山・発寒川からの手紙

北海道の野生動物や自然の状況についてなど手書きの絵などによって詳しくお伝えします。

 北海道には5種類のイタチの仲間が生息しています。体の大きい順に、エゾクロテン・ミンク・ニホンイタチ・オコジョ・イイズナです。


 エゾクロテン・・・本州には黄色っぽい体毛のテンがいます。黒っぽい毛をしたクロテンは北海道と朝鮮半島、さらに内陸のユーラシア大陸北部からシベリアまでの広い地域に分布域をもっています。体長が40~50cm、体重が「1.5kgほどです。クロテンは木登りがうまく、リスを追いかけたり、時々地面に下りてきてウサギやネズミ、カエルや昆虫を採食したり、小川で小魚やザリガニを食べています。コロテンの毛は“セーブル”と呼ばれる高級絵筆の素材ですが、この艶と弾力のある毛皮を求めて狩りにでかけたヨーロッパの人たちによって、シベリア開発のきっかけが作られたといわれています。

 ミンク・・・ミンクは北アメリカ原産のイタチです。明治の頃から高級毛皮を得るためにヨーロッパから繁殖用にニホンで輸入しました。戦後、北海道では全飼育頭数の9割が生産され、これらの毛皮が輸出されました。現在、泳ぎがうまく、海岸や内陸部の養魚地などを荒らしている黒い毛皮のミンクは、その頃、飼育所を逃げ出して野生種と交雑したミンクです。

 ニホンイタチ・・・本州原産のニホンイタチが、いまから100年以上も前に、何らかのルートで北海道に移住してきました。体毛は茶褐色、体長30cmほど、体重1kgほどです。昭和の初めにネズミ駆除を目的に本州各地から買い集めた40頭ほどのイタチを利尻島と礼文島に放されましたが、これらの子孫がいつまでも生き残っているのは森林の豊かな利尻島だけです。

 イイズナ・オコジョ・・・体の小さいイイズナやオコジョは本州にもヨーロッパにも広く分布しています。北海道のこれらイタチの冬毛は真っ白に変わります。地下のトンネルや雪中をもぐってネズミに接近、捕食しています。体はチビのくせに気が荒くて、エゾライチョウなどの大型の野鳥の足に食らいつき、一緒に地上に落下するのを見たという人がいます。




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