15 告知日生検の結果を聞くまでの10日間は、ひとりだけ違う時間軸に生きて、ゆっくりゆっくり皆とは違う暗闇に追いていかれるような感覚だった。告知日。診察室に入った時の先生の表情で、「陽性だったんだな、癌なんだな」と分かった。心の準備は意外とできており、冷静に先生のお話を伺った。この時点では、まだ脇のリンパ節転移のみだった。(その後、現在肺や骨などに転移あり)私が結婚をした頃に、母が、乳癌を患っていたため、治療に関する知識はある程度あった。