『たまちゃんへ。
 
たまちゃんがご飯をもらっていたおじいさんのことを覚えていますか?


ある日、たまちゃんが3匹の仔猫を産んでしまい、おじいさんはとても困ってしまい、市役所に「仔猫を引き取ってほしい。でないと保健所に持っていくぞ!」って電話をしたの。
市役所の人から連絡をうけたねこかつのおっちゃんはそのとき福島で残された猫たちにご飯を配っていたから、おばさんが仔猫をお迎えに行ったの。
線路のすぐ脇の草むらの中で、仔猫たちを守っていたたまちゃん。
そんなたまちゃんから仔猫たちを奪ってしまうのはすごく嫌だったけど、このままだと保健所に連れていかれてその日のうちに殺されちゃうから仔猫を車に乗せたよ。
おじいさんに「たまちゃんが今後子供を産まないように手術をしましょう。手術すれば増えることもないから、またたまちゃんにご飯をあげてください」とお願いしたけど「たまちゃんも一緒に連れて行ってくれ。戻されてももうご飯はやらない」って言うから仕方なくたまちゃんも車に乗せたの。
車を出すときおじいさんは泣きながら車を追いかけてきて窓を叩きながら「たまちゃん、たまちゃん・・・」って言ってたね。
おじいさんはたまちゃんのこと好きだったのか嫌いだったのかおばさんには分かりません。
それからおばさんのお家で仔猫みんなを元気な子に育ててくれたね。
たまちゃんはとてもいいお母さんでしたよ。
群馬のせきねこおばちゃんが仔猫たちの新しいお家を見つけてくれてたまちゃんとさよならした仔猫たち。しばらくはたまちゃん淋しそうだったね。
仔猫の里親さんが「是非たまちゃんも家に・・・」と言ってくれたときはすごくうれしかったけど、これで本当にたまちゃんとはずっとさよならかと思うとこんどはおばさんがすごく淋しくなったよ。
たまちゃんが行ってしまってだいぶたちました。
今日、おじいさんからおばさんのところに電話がありました。
たまちゃんと別れたおじいさんはその後すぐ転んでしまい足の骨を折ってずっと病院に入院してたんだって。
入院中もずっとたまちゃんのことが気になって、退院して家に戻ってきて昔たまちゃんが日向ぼっこしてた場所を見てたらこらえきれなくなっておばさんに電話をしてきたの。
たまちゃんも子供たちもみんな幸せに暮らしているって言ったらおじいさんいっぱい泣いてたよ。
「たまちゃんごめんね。。。」って何度も言ってたよ。
たまちゃんは今仔猫たちと一緒にあったかいお家で幸せでしょ。
おじいさんのこと許してあげようか。
おじいさんはこれからずっと一人ぼっちだけど、たまちゃんは家族ができてひとりぼっちじゃないよね。
おじいさんのこともう許してあげようか。。。
お返事待ってます。』