【平成30年10月1日】
9月の本会議において、代表質問として取上げた違法建築物の問題について報告します。違法建築物と聞くと、専門性が高くてよく分からないという方も少なくないと思いますので、今回は簡単に問題点の概要を示します。
概要
①まずは前提条件の整理
●違法建築物とは日照や災害時において住民に害を及ぼす恐れが高い
●違法建築物には様々な種類がある
*ここでは検査済証と言われる建築完了時に役所が合法であるハンコを押したものがない建物を指す
②政府の対応により流通サイクルを遮断
●違法建築物を減らすため、政府は金融機関に対して検査済証のない建築物に融資を絞るように指導
●これにより、金融機関が買主への融資を渋り結果として建築物売買が成立しにくくなった
●この施策は違法建築物を減らすために大きな成果をあげたものの問題点も生み出している
③問題点とは
●違法建築物の持ち主は、本人の都合で建物を売却したいと思っても、買主に金融機関が付かないために売買が困難となり売却できなくなる
●そのため所有の意思が薄れた建築物を維持し続ける事になり、やがて管理能力が低下して周辺に迷惑をかける恐れが高まっている
●政府施策の流通サイクルを遮断して、違法建築物を減らすという手法は大きなメリットだが、このように違法建築物が流通せずに朽ち果てていくという恐れがデメリットとして挙げられる
④解決策はあるのか
●とにかく一口に違法建築物と言ってもその種類は多岐にわたる。しかし、どのような種類の違法であっても、まずは『指導』に尽きる。所有者に対し、違法であることを理解してもらい、それが居住者や周辺にどのような悪影響を及ぼすのかを知ってもらう
●その上で、改築や改修工事を促す事が重要ではないか。もちろん各所有者によって事情は様々であるが、まずは指導がなければ始まらない問題である
●残念ながら現在の江戸川区役所において、この「違法建築物」に対する指導が徹底されているという背景はない
⑤まとめ 厳しく締め上げたからにはケア事業が欠かせない
●『売ったり買ったりしてはダメ!』と制限を課すのであれば、所有者が行き詰まらないようなケアをするべきだろう
●私が考えるケア事業とは、まず第一に区内の違法建築物を把握する事、第二に徹底した指導を行う事、第三に改善が困難な場合には『相談』を受ける事だろう
●なぜならば、違法建築物によって最も被害を受ける恐れがあるのは近隣住民だから
と、いう事で関心がない方とってはつまらない記事となってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方は関係者かも知れません。どのような関係者でも構いません。行政に携わる方、不動産業の方、建築業のかた、Etc、是非ともご意見をお寄せください。私はこの問題の全ての構造を把握できていないと感じているからです。