Larz ~悪そうな奴はだいたいスタッフ、フランスの人って、ビール様々 | ツアーレポート

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過去の旅レポート

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宿の朝ごはん。
ハムやレバーペースト、チーズに茹で卵とたっぷりの典型的ドイツスタイル。
フェスではベジタリアン食、朝食ではこうして肉を食べられるというバランスが、とても良かった。

この朝ごはん、毎日食べたい時間を伝えなければならないのだが、迂闊にも私たちはまったくドイツ語を知らずにここに来ている。
もちろん、気さくで恰幅の良い宿のおばちゃんたちが英語を話せるはずもない。
ある日、かろうじて知っている言葉を組み合わせて11時に朝ごはんを食べたいと言うことを伝えてみた。
「モルゲン(朝) エッセン(食べる) アイン(1) アイン(1)」
アインアインのところはジェスチャーつき。
どうにか伝わったもののアインアインが相当受けたらしく、翌日には別のおばちゃんに「明日はアインアインじゃなくていいのかい?」と半笑いで言われる。



さて昨夜約束した通りの時間に来てくれたシャトルに乗ってフェス会場へ。
この日の予定はリハーサルだ。

写真は「バーバラビットのキャバレーショウ」の舞台となる劇場。
舞台面は広く、シアターXくらいはある。
床はリノばり、天井も高く照明も存分に吊れるぜいたくな環境。
正直、村田さんのこのショウには広すぎるくらいなのだが、客席を舞台最前列にも出し、照明エリアも合わせて作ってくれるということになった。



照明・音響・舞台監督、すべての人が立ち会っての通しリハーサル。
ここまで丁寧に付き合ってくれることは稀なように思う。
作品をすべて見た上で、合わせた明かりを作ってくれることになった。



劇場外でたむろす、もれなく香ばしいスタッフのみなさん。
繰り返すようだが顔ピアス・タトゥーは当たり前、みんな大体革ジャンで舞台監督さんなんか前歯がなかったりもする。
こんな皆さんは、もれなく英語が喋れ、とても優しく、気遣いに溢れている。
顔を合わせると「なにか困ったことはないかい?」と聞いてくれ、朝から晩までとても熱心に働いている。

劇場スタッフさんだけでなく、ほぼ全てのスタッフさんたちがこのような感じ。
特にシャトルのドライバーさんは到着日に迎えに来てくれた彼らをはじめ、ハードコアな見た目の人たちばかり。
絶対悪そうなお兄ちゃん達が私たちをペンションに送り届けて、「明日は○時に朝ごはん食べたいらしいっす」と宿のおばちゃんに伝えてくれたりする。
一日だけ参加のアーティストが多いなか私たちはフェス四日間+前二日も滞在、しかも東洋人ということもあって、一度乗せてくれたドライバーさんが顔を覚えてくれ、これまた会う度に「なにか困ったことはないかい?」と聞いてくれるようになった。
終いには私たちもドライバーさんたちのコワモテな見た目が楽しみになり、あまり派手でない人が担当だと少しがっかりしたりも。


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滞りないどころかむしろ素晴らしく終わった劇場でのリハを終え、もうひとつの会場「カスバ」へ。
ここでは一日だけ「かたわれ」を上演する予定となっている。
「カスバは私たちの範疇外だから、直接行ってもらって話をしてもらうしかないの。
ただ…あの場所だけはフランス人が仕切っていて、なんというかこっちよりもちょっとだけカオスなんだ。
でもとにかく行って、“ここでパフォーマンスをするバーバラ村田です”って、そこに居る人に伝えれば大丈夫だから!」
と心配そうなエリーちゃん。
案の定、向かったカスバでは担当者を捕まえることができず、というか、責任者であるはずの彼女がどこにいるのか誰も知らず。
とりあえず、公式パンフレットに載っている上演日が一日間違っているらしいということだけは判明する。
間違ってると言ってもアナウンスしてしまっているのだし通常はパンフに合わせるだろうと思うが、それは難しいのでパンフとは違う日にやるしかないと言う。
対応してくれたステフは、「今日私は必ず彼女(担当者)に会うから、あなたのことを伝えておくわ。それで大丈夫!とりあえず明日また来てみて!」ということになった。

これまでの旅はフランスが多かったからあまり気付いていなかったが、ここに来てわかるフランスの人の独特な無計画さ。
劇場の安心感とは一転してよるべない気持ちになるが、とにかくまた来てみるしかあるまい。

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この日も相変わらず秋並の寒さ。
この先に不安を感じ、フリース地のパーカーを購入する。
毎年どこかで寒さにおののいて上着を買う羽目になっている私たち。
いい加減覚えたい、この気温差。

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FUSION FESでは素晴らしいことに、一人当たり一日10ユーロのドリンク券を支給してくれる。
そしてバックステージエリアにあるバーでは、中瓶並のサイズのビールがなんと0.80ユーロ、赤ワインをボトルで買ってもたったの3ユーロ。
せっせと飲んでも全く使い切れない。
写真はアルコール度数低めのレモンビール「ラドラー」。
ベルリンっ子御用達の「ルプツァー」、ハーブの苦い香りが特徴的な「ジェイヴァー」など様々なビールが充実していて、飽きることがなかった。
さすがはドイツ。