Larz ~FUSIONの景色、かたわれの受難、フルーツワイン | ツアーレポート

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フェスティバルが始まると、テントサイトがぎゅうぎゅうに。
この写真はまだまだ序の口。
最終的には隙間がないくらいにテントがひしめき合っていた。

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ステージとなる格納庫はもちろんのこと、会場中に配置されたオブジェ、出店なども面白くて目が離せない。
ガラクタを集めてきて組み合わせたような風合いはこれまでにフランスで見たものとも共通するのだけど、ここのはもっとゴツゴツとして鉄っぽくて、レトロ感よりは世紀末感が漂っているように感じる。
遠くない未来、世界のどこかにこんな共同体ができるかもしれない―
ひと昔前に映画の中で人々が想像したような景色が、ここには広がっている。



こんな悪そうな見た目の車だけどゴミ収集車。
モヒカンのような車、怪獣のような車などなど、常識を吹っ飛ばすような車がたくさん走っている。
どれも動いているのが不思議なくらいオンボロで、ナンバープレートが付いていない車も多々。
この敷地内だけで使用されている車たちなのかもしれない。



これもパフォーマンスのひとつなのか。
前にぶら下がっている人がとても大変そうなのだけれど、何をしているのかは若干わからず。
それにしても、仕組みはすごい。


FUSION FESは全四日間。
村田さんは二日目のみカスバで「かたわれ」を、他三日は劇場で「バーバラビットのキャバレーショウ」を上演することになっていた。

まずは、「かたわれ」のお話。

フェス前日「また明日来たらきっと大丈夫!」と言われたとおりに再びカスバに赴いた私たちであったが、相変わらず担当者は現れず。
前日中に担当者と会うから話をしておくと言っていたステフも、「私も彼女を探しているのよ」と困り顔。
せめてテクニシャンと話ができればと思うも、「彼らはご飯を食べに行ってしまったわ。一日中働いているからね。」とのこと。
それは分かるが何も打ち合わせ時間に合わせてご飯に行かなくても。
結局この日も進展はなく、無駄足に。
「とにかく明日ショウの1時間前に来てくれたら、絶対にテクニシャンもいるから!ね!」と言われる。
そこはほんとお願いしたい。



そしてフェス二日目「かたわれ」の本番当日、途方に暮れている村田さん。
テクニシャンには会えた。
担当者には会えなかったが、この時点ではもはやそれはどうでもいい。
問題は、ステージの雰囲気だ。
小さな湖のほとりにある野外ステージが「かたわれ」の舞台。
フェスティバル初日から晴れ上がった天気は二日目にはカンカン照りの猛暑となり、湖は水浴びをする人々で溢れかえっていた。
しかもステージの周りはちょうど良い砂浜のようになっており、さながらビーチサイド状態。
水着はおろか、素っ裸の人までがわらわらと寝転がっている始末。
こんな環境の中、どちらかと言えば静かで重苦しい雰囲気の「かたわれ」をやるなんて、いくらなんでも突飛過ぎる。
さすがにステフに場所を変えられないかと訴えるが、案の定「もう遅すぎるわ」と言われる。
場所が場所でもプログラム通りの上演なら、まだ目的に見に来てくれている人がいよう。
プログラミングミスによって今回の上演はまったくのノーアナウンス、まるでゲリラ状態。
苛酷極まりない。



かくして、史上最高にシュールな「かたわれ」の上演。
何から何まで大変だったが、それでも終わった後に二人の女性が「素晴らしかったわ」と声をかけてくれたことに救われる。


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こんな時に飲まずにいられるか。
様々なBIOのフルーツワインを売っている出店を見つけ、赤すぐりやルバーヴ、名前は分からないが白くて小さな花のワインをボトル買いする。
注文すると、大きな瓶からグラスやボトルに注いでくれる仕組み。
甘すぎず香り豊かでとても美味しく、なおかつ何だかよく酔える。
大いに気に入って連日通っていたら、「毎日来てくれるね。よほど好きなのね!」とお店のお姉さんに顔を覚えられたのだった。