☆☆☆ライフスタイルと妊娠 改訂版 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

ライフスタイルと妊娠については、2012.11.14「ライフスタイルと妊娠」で一度ご紹介ました。その後に追加した記事を含めてまとめてみました。

良い卵子と良い精子があって初めて良い受精卵(胚)ができます。卵子も精子も良くすることはできませんが、悪くしないように気をつけることはできます。そこで、患者さんが妊娠に向けて自分自身でできること(悪くしないこと)として「ライフスタイルの改善」を提案致します。ライフスタイルの改善は、自然妊娠を目指す方にも体外受精の妊娠を目指す方にも有益と考えられます。この考え方については、2013.4.1「☆☆夫婦の「妊娠力」」を参照してください。

加齢→男女とも影響します
男性
2013.6.29「☆男性も妊娠を急いで!」
女性(AMH)
2012.10.15「☆☆卵子の老化」
2013.6.16「☆☆☆AMHは年齢とともに低下しません⁈」

体重→男女ともBMI 20~24がベストです
2013.6.7「☆ARTの妊娠率に与える男女のBMIの影響」
2013.6.28「☆太るとAMHが低下する?」

食事→男女とも質素倹約タイプがよいです
男性
2013.2.6「☆精子によい食事」
2012.12.4「☆若者の食生活と精子」
女性
2012.12.23「妊娠を目指す女性にはオランダの食事」
2013.3.19「お魚は内膜症の方にもお勧め」

運動→BMI ≧25の方は運動すべきで、BMI <25の方は軽めの運動に留めておくのがよいです
2012.12.26「妊娠を目指す女性は運動した方がよいか」

喫煙→男女ともやめるべきです
2012.9.25「☆タバコの影響:精子」
2012.9.26「☆タバコの影響:卵子」

カフェイン→1日100~200mg(コーヒー1~2杯分)まで
2013.3.2「妊娠を目指している方のカフェインは?」

アルコール→1週間で100g(5単位)まで
2013.2.25「妊娠を目指している方のアルコールは?」

心理的ストレス→男女ともなるべく軽減するようにしましょう
男性
2012.11.30「☆心のケア(心理サポート)の必要性:男性編」
女性
2012.11.24「☆心のケア(心理サポート)の必要性:女性編」

環境汚染→意外と身近ですから、注意が必要です
有機溶剤:有機溶剤の影響1~3
環境汚染物質:環境ホルモン、残留性有機汚染物質、PFOS
電磁波:2013.1.25「電磁波の影響」

サプリメント、薬剤、授乳など
葉酸
2013.2.27「葉酸の効能」
鎮痛剤
2013.5.25「排卵期には鎮痛剤を飲まないで!」
授乳
2012.12.13「☆妊娠中の授乳」

解説:私は、治療説明会の最後にいつも「生殖医療は、妊娠へ向けたお手伝いをすること」と言っています。医学的に私たちができることは限られています。採取した卵子および精子を、採取した後に良くすることはできません。取れたものを使って最大限に妊娠を目指すこと、それが私たち生殖医療に携わる者にできる唯一のことです。ライフスタイルについては、必ずしも確定的な証拠が揃っているわけではありませんが、少しでも条件のよい卵子および精子を採取できるように女性も男性も医療者も全員で努力して、その結果妊娠に結びつけたいといつも思っています。