飲水思縁〜台湾茶・文人喫茶文化研究 -2ページ目

飲水思縁〜台湾茶・文人喫茶文化研究

飲水思源とは中国語の四字熟語で、
水を飲んで、その源を感謝の気持ちで考えるとのことです。
あえて「縁」の字に置き換えて、
お茶を飲みながら、恵まれた茶と縁に感謝します♪

今年の4月上旬に2年ぶりに再び来日しました。

そして気が付けば、ブログで1年3か月もの空白時間を作ってしまいました。

 

前回の投稿(2021年3月)の後に、台北で一コマの茶講座(3月下旬)とマルシェにブース出店(4月中旬)を経て、私は実家近所の日本人経営の洋食居酒屋に勤めていました。フルタイム勤務とアルバイトを合わせたら、ちょうど1年ほどいました。
 
ブース出店と洋食居酒屋勤務をきっかけに、飲水思縁水出し茶の商品も台北で細々と打ち出してみました。

 

 

 ▲居酒屋の舞台役者でもある同僚と。

 

中学校の通学道・楽利路にある職場だった北村家くるみ小料理屋は家、家庭料理がコンセプトの可愛いお店でした。厨房で11年間働いてきたオーナーさんのご両親の姿は、振り返ってみると一番感動的なものでした。

 

洋食のデミグラスソースを日々煮込んだ70代のお父さんと、強度の高い厨房仕事に立って気配りをしながらスタッフたちを支えていた60代後半のお母さんがいました。

 

そして、10名ほどのカウンター席もあり客と近かった距離感でサービスしたり、役者さんばかりが同僚で表現者に囲まれた環境に恵まれたりして、1年間の居酒屋勤務で勉強になった数々のシーンは身体感覚として記憶されています。

 

 ▲旧正月に無事生活での花アレンジ体験☆

 

台北にいた2年間は呉興街の無事生活にも色々お世話になりました。

 

花の教室、茶館と教室、ギャラリーの併設、活版印刷で経営者一家の三姉妹と80代のお父さんが分業してやっていました。

 

 

2回ほど講座の開催を叶えてくださったりして、付き合っていくうちに無事生活一家の懐の深さを見習っていました。

 

 ▲好奇心旺盛な母と無事生活に尋ねた時。

 

それから、大学時代から知り合ってきたアーティストの親友が2人います。

 

台湾に帰国したおかげで、2人の親友の活動を直に参加できたのは貴重な体験として残りました。

 

 

その一人はシン。

 

去年末、彼女が台中でのレジデンスビレッジの展示風景を見に行きました。

 

メインの展示は日々同じ作業を繰り返す日常という時間軸を大切にしていました。展示にお茶を添えて、思いを巡らしました。

 

展示の直前に、勉強家のシンと活版印刷の職人先生との会話をそばで聞いていたことがあり、お2人の文字と印刷の行為への愛の深さが伺えたのもその背景にある日々の蓄積という努力の惜しまなさは想像されます。

 

 ▲体験型の舞台に参加した時に会ったWei Lingのご家族。

 

もう1人、アーティストと舞台芸術のギャラリストとして両立した親友、Wei Lingがいます。つい最近、ご主人はめでたくコンテンポラリーダンス研究で博士号を取得したようです。

 

彼女の影響を受けて、即興ダンスのパフォーマンスも見るようになり、素晴らしい先生にも出会って、即興ダンスの方法を通して、その時点の自分の体に起きている問題を見つめようとしていました。

 

いつも会っていくと、他人のことを身の上に起きたかのような彼女の暖かい眼差しと淡々とした行動のバランスの良さに癒されます。丁寧な暮らしぶりとご家庭、お仕事の両立に頑張っている彼女の姿に尊敬も感じています。

 

 ▲ある日の廸化街にある滋養製菓の最中。

  努力家の先輩の話を伺えたのは私にとって、記念すべき1日でした。

 

 ▲一時期すっかり通い詰めた台北の癒し系カフェ、日翼珈琲。

 

 ▲中正紀念堂の中の絶景スポット☆

 

これらの思い出とともに、今の私は再び高円寺生活に戻りました。

 

最近になって、自分の改善すべきところを距離を保ちながら見ることができました。2年前、帰国寸前だった時は悔しい気持ちばかりでしたけど、今から見ると、あの時にがむしゃらに走り続けた自分がいてこそ、そこから通過して拾えなかったものを今、手を伸ばして拾って吟味できるようになりました。

 

 ▲3年前の座の市へ出店したショット。

 

 

高円寺生活と茶文化研究の再開は、自らの心を磨いていけるプロセスです。

 

日々、目標に向かって、着実に歩んでいきます。

 

 

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去年の5月下旬より、数ヶ月間の一時帰国かと想像したものの、台湾生活はそろそろ1年経過になってしまいます。
 
ブログも4ヶ月ぶりに再開しました。
 
東日本大震災のちょうど10年後の今朝に起きたら、当時東京にいた記憶がよみがえってきます。私はその後、幸運にもお茶に出会えて、日本留学を叶えましたけど、今でも震災の影響を受け続けている、いいえ、生涯影響を受け続けている人たちもいて、哀悼の意を表す一日です。
 
育ててくれた日本と台湾へ感謝の気持ちを微力ながらお伝えしたく、動いています。
 
ところでここ最近、5年ほどの東京の活動を見直したきっかけがあったりして、先輩たちとの対話によって、もっともっと目標に向かって積極的に自分を磨かなくてはいけないという気持ちに強く駆られています。
 
まずは去年より台湾で一連の活動の整理からブログを更新します。
 
■2020年8月
<桃園・楊平社区大学 一コマ 明代文人が語る美味しいお茶>
 
 
今思えば原点だったこの講座では、茶葉、水、火、器、人、事という6項目に分けて、明代文人のこだわりを紹介しました。
 
飲み手、つまり消費者の観点から見た明代文人たちは、それなりに水、火、器という周辺のものに工夫して、おいしくお茶を淹れようとしていました。
 

 

社区大学というのは日本のカルチャーセンターほどではないけど、公民館とかでやってるサークルとも違います。両方の中間にいるような感覚で、先生がいらっしゃいながら、退職後の方々が仲間とお茶を飲むサークルでもあります。

 

お誘いいただいたグループで、台湾茶愛好家の方々が持参した器に興味津々でした。自作の薪窯で焼かれた茶杯もあったり、自作の花器に自らお花を生けたしつらえもあったりしました。

 

 

おそらく毎週のそのお茶タイムがお楽しみではないかと思いました!

 

 

■2020年10月

<台北・無事生活 明代文人は何をして遊ぶ?>

 

2ヶ月後のこの講座は、方向を変えて、専門性を高めながら、文人の定義や文徴明の人物像にポイントを置いてみました。

 

 

中国明代に、文徴明をはじめとした文人のグループが茶を飲んで詩や絵にしたことがきっかけで、後の茶文化が盛り上がったことに繋がります。

 

 

そんなことをマイペースに語れた2時間は、少人数で交流を深められた濃い会になりました。

 

 

■2020年11月

<台東・洄廊  一杯の茶から五感体験>

 

この機会に、紅烏龍の産地である鹿野にも2日をかけて巡りました。台北から電車で5時間ほどの台東にイベントを開催しました。

 

大学時代から尊敬しながら親交のある友人と一緒に仕事ができて楽しい思い出にもなりました。

 

 

 

 

2席の台湾茶の真ん中に五感で茶をどう体感するかということをパワーポイントを使って案内しました。

 

 

それから心を落ち着かせる、心を静かにする体験を経て、2回目の茶席に入りました。淹れ手の私の違う表現に同席の皆様は目から鱗が落ちるようでした。

 

 
終わってからの交流タイムに、みんなが茶への感想を書いてくれたり、身体表現で踊ってくれたりしたシーンは、後の宝物になります。
 
 
最後は宣伝になってしまいますが、おそらく台湾滞在中の最後のイベントになりそうです。3月28日(日)の午後に、台湾在住の皆様、ぜひチェックしてみてください!

 

■2021年これから

<台北・無事生活 一枚の茶葉から五感体験>

coming soon in 3/28 !!

 

中国語only、報名請洽
https://www.caketrees.co/

 

 

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本来、私にとってこの時期の風物詩に、国立のくにたち福祉会館で開催される「国際茶会」があります。

 

去年はスタッフとしての4回目参加に数えました。

 

コロナウイルスの影響で、今年は4月の時点に茶会の中止が宣言されましたが、早くもこの時期になって、感無量です。

 

私はこの茶会のおかげで、学内の台湾人留学生と交流を深め、中でも生涯の友となった方は何人かいます。今年は去年の記録写真を眺めながら、この状況を受け止めるしかないんです。

 

 

この席で後輩の穏やかでプラスエネルギーが満ちた茶淹れは印象深かったです。

 

 

去年は個人で開催した「而立の年 茶の写真展」の数点かの写真も飾らせていただきました。

 

 

主催者新井宗利先生がいつも国際茶会のことを楽しんでいるご様子をそばで見ることができて、とてもためになります。

 

コロナウイルスはいつまで続くかわかりませんが、また国際茶会の灯火は消えないように願っています。

 

 

〈メモリーズ〉国立国際茶会

2015年は単純に客→

2016年はまとめ役→

2017年もスタッフ→

 

 

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