知られざる保険~弁護士保険~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

損害保険,生命保険,構造が複雑になっています。
いろんな特約があって,どんな時に保険金が出るのか,把握しにくいものがあります。
というか,購入時にはセールスマンに説明されたり,結構詳しく見たりするのですが。
あまり知られていない保険,として「弁護士保険(権利保護保険;LAC)」というのがあります。

失礼しました,申し遅れました。みずほ中央法律事務所の三平です。
みなさんこんばんは。
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弁護士保険の話し。
日常生活で「法律マター」に巻き込まれることがあります。
具体的には,交通事故その他の損害賠償モノ。
積極的に弁護士を使いたい。でも費用が・・・ということで弁護士費用をまかなう「保険」が誕生したのです。
自動車保険で弁護士に交渉や訴訟を依頼する費用を賄う「弁護士費用特約」は結構メジャーになりつつあります。
しかし,一般的な事故に起因する法的交渉・訴訟での「弁護士保険(権利保護保険)」はまだまだマイナーです。

関連して。
ちょっと前に,訴訟で敗訴をした方が,勝訴側が要した弁護士費用を負担する,という法案がありました。最終的には廃案になっています。現在の日本の文化には「ちょっと過激」と思われています。
基本的に弁護士費用は依頼者の「自腹」です。交通事故などの損害賠償系では,「損害」の一環として弁護士費用も含まれることが多いので実質的に「敗訴者負担」になっていますが。判決では弁護士費用も上乗せされますが,なぜか和解ではなかなか上乗せされないのが「相場」です。この不思議な感覚・・・はまた別の話し。
では,正当な権利を主張する人が弁護士費用の「壁」に断念してしまう,そんな悲劇を避けるために・・・法テラスの法律扶助が登場しています。
ただ,これも資力がない人をサポートする趣旨であって,サポート対象は限定的です。
なかなか医療保険のように「空気」みたいなサポートにはなっていないのです。

現実の法律マターの処理においては,「弁護士費用の負担」が実質的にハードルになっていることもある,とあなた(弁護士保険)を見ていてそう思う。
という話しでした。