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本日、久しぶりにコスモス薬品さんの決算発表に行ってまいりました。

ライブはやはりいろんな数字や見解をうかがうことができるので有難いです。

25年5月期第二四半期の売上累計は、1598億7200万円。対前年比19.7%増、営業利益は、累計83億1200万円。同21.3%増。

既存店は、48ヶ月連続で対前年売上をクリアしています。

まさに、

商売の王道ともいうべき、

「下げに儲けよ」を実践しています。

ときのご政道が、商人道と相反するのは、江戸時代からの慣わし。

本商人はブレません。

さて、いくつか気になる数字を列挙しましょう。

25年11月までの総店舗数は478。うちOTC医薬品第1類扱いは、83店舗です。

プライベートブランド、ボランタリーブランドを合わせた売上構成比は、14.2%。PB「On365」は、372アイテムあり、売上構成比は4.9%です。うち食品は、9割です。

コスモスさんのPBは、価格の安さもさることながら、有力なナショナルブランドメーカーと組んで品質向上に取り組んでいる点も見逃せません。

また、PBをPBコーナーやプライス均一コーナーに置かないのも特徴。あえてカテゴリーごとにバラして、ナショナルブランドとの比較検証をしたいのでしょう。

売上全体の伸びは7.6%で、客数は、7.1%増。客単価も0.5%アップ。すごい数字です。

商業の支持率(社会的意義、存在価値)は客数が増え続けているかどうかで決まります。まあ株価も1万円をつけました。株主にも貢献しています。

エリア別の既存店は伸び率は、

関西19.4%、中国9.8%、四国7.4%、九州7.2%。

同社は九州においてヘルス&ビューティ市場の3割のシェアをとっていますが、

現在、九州360店舗のドミナント網を築いたうえでこの伸び率です。

同社は、九州で500店舗をひとつのメルクマールにしています。

関西の伸び率が高いですね。大阪門真の新店は、330坪タイプ。関西の少ない出店スペースを攻略していく小型フォーマットです。

福岡の都市部で実験をすすめて、主力の600坪タイプと変わらない経営効率で標準化。これはチェーンストアの王道です。

コスモス薬品さんの競争力の源泉ともいうべきローコスト経営ですが、販管費率は、目標だった15%はすでに達成し、13%台もたたき出しています。

さて、いくつかパブリックコメントもいただきましたので、挙げておきます。

⚫OTC医薬品のネット通販解禁の流れをどうみるか?宅配は?

➡消費者利益の観点ではプラス。ドラッグストアもネットに医薬品のシェアを奪われるという見方もあるが、急激なシェアのラインロビングは起こらないが、店舗で買う利便性と消費者にとっての利益を追求する経営を行っていきたい。宅配は導入予定なし。

⚫調剤導入の予定は?

➡現在専門薬局の一店舗のみだが、調剤は将来の重要カテゴリーのひとつとして考えている。面分業がより進んでいく法改正含めた社会環境の変化に期待して準備したい。

⚫消費税アップの影響は?

➡われわれはすぐれた、よりよい商品を1円でも下げる努力を続けたい。

⚫生鮮は扱っていくのか?

➡扱いはじめ、実績を伸ばしている他社さんは尊敬する。我が社はまだ実験の領域を出ない。

⚫ポイント導入について

➡質問には出なかったが、実は、新店を出していくなかで、崩しきれていないのが、ポイントによる囲い込み。われわれのなかでは、ポイントによる囲い込みは効果があるものと考えており、常にこれをどう崩していくかが課題となっている。

月刊マーチャンダイジングの愛読者でもある取締役経営企画部長様より、記者の質問になかったパブリックコメントまでいただき重ねて感謝です。

絶好調のコスモスさんを食い止める手法の現在もっとも有効な手だてはポイントなんですねえ。

価格、商品構成、品揃え、オペレーションコストの競争軸でおなじ土俵にのらないとすれば、残るのはポイントぐらいでしょうか。

いや、おなじ競争軸のなかで、あるいは異なるなかで、まだまだ、コスモスさんが消費者に貢献していない領域はたくさんあります。

小売、流通の多様性こそが、産業の活力を生みます。

しかし、コスモスさんはよりムダをそぎ落とし洗練の度合いを高めています。

いろいろ勉強させていただきありがとうございました。




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