亀より遅い更新で、皆様には大変ご迷惑をおかけしている銀魂リレー夢小説ですが(ToT)
先日、田中ッちの14話がUPされまして♪
たまには、interval開けずにUPしちゃおう!っと
頑張りました
ゞ(^o^ゝ)
それでは、
銀魂リレー夢小説
~第15話~
お楽しみくださいませ♪
春が、ひぃを連れて教室から出て行った後やって来たみなこは、
教室にいつも見慣れたメンバーが居ない事に一抹の不安と、昨夜からの胃もたれに顔をしかめた。
昨日クレープの半額券を巡るドタバタの後、気がつけば銀八に券を握らされ、
何だかんだと上手くはぐらかされ、
隣に居た筈のあかりもいつの間にか姿を消して…
呆然とするみなこに止(トド)めを刺すように教室に居たはずのひぃからは、
『先に帰る』
のメールが届いた。
一人取り残され釈然としないまま
不貞腐れ気味に一人クレープを帰り道にやけ食いして、晩御飯もしっかり平らげてやった。
半額券も夕飯も無駄にしないエコな自分を自画自賛しながらも、
ズッシリ重い胃の辺りを擦りながらカバンを下ろす。
その時---
「おはよぉ~みなこ
あれ?春とひぃは?」
何時もの如く、まだ半分寝ていますアピール全開のあかりのマッタリした声に振り向いたみなこは、
ズンズンとあかりの前までいくと、
ガシッと両肩をつかんでブンブンと揺さぶった。
「あかりーっ!!!
ひどいよ!
昨日、どーして帰っちゃったの!」
「うわっ、何!?みなこ止めて!朝ごはんがリバースしそう!」
ユサユサと体を揺すられ、慌てて口元に手をやるあかり。
「バケツ持って来ようか?」
何時もの如く、薄い存在感であかりの傍らに立つ退が、心配そうにあかりの顔を覗き込む。
「いや…退…そんな冗談いらないし…ってか、バケツなんか見たらホントに…ゥオエッ---」
「「----!!」」
「………あんたらねぇ…」
心配しながらも、安全圏まで離れる二人をギロリと睨み付ける。
「あ…俺、沖田さんに呼ばれてたんだ!ハハハ--」
「総悟のバカなら、いないアルょ」
わざとらしく笑いながら見栄すいた嘘をついて、その場からコソコソ立ち去る退に、瓶底眼鏡を持ち上げながら神楽が声をかけてきた。
「え!?沖田さん朝練終わってすぐ教室に行ったと思ったんだけどな…?」
「さっき、慌てて春とひぃが出ていくのを追いかけて行ったアル」
「春とひぃを?!
なんで?」
神楽の言葉に、眠気も覚めたのか、あかりが神楽に詰め寄った。
「知らないネ、アイツの行動に興味ないアル
だけど…あの時のあの様子…
あれは、絶対何かあるネ」
「「「何かって!?」」」
思わせ振りに、顎に手を添えてニヤリと笑って話す神楽の言葉に、三人は同時に食いついた。
「何かとは…何かネ!
きっと血で血を洗う修羅場ョ!
私の中の女の勘がそう言ってるアル」
「「血を血で洗う修羅場「……………」」」
どこから出てくるのか根拠のない推測をドヤ顔で語る神楽に、三人は顔を見合わせた。
「一体何があったんだろう…」
「…………。」
不安そうにあかりを見つめるみなこに、あかりは首をゆっくり横に振る。
単純な思考のあかりとみなこの頭の中では、
血で血を洗う、春とひぃと沖田三人の姿が巨大妄想化し凄い事になっていた。
そんな二人に掛ける言葉も見つからず、ただ不安げに見つめる退…
そんな三人にお構い無しに、当たらずとも遠からずな勝手な推測を並べ立て、満足気にその様子を伺う神楽…
サスペンスドラマなら、
ここでCM♪
と言った状況だが、CMならぬ始業を知らせるチャイムが3zの教室に響き渡る中、三人は呆然と立ち尽くすのだった。
チャイムが鳴り終わる頃、教室のドアを開けてボサボサの頭をポリポリとかきながら銀八が入ってくる。
「オメェラいつまでくっちゃべってんだ~
とっとと席につけ~」
毎朝代わり映えの無い台詞でサンダルをペタペタ言わせながら教壇の前に立つ姿に、
渋い表情で見つめあっていたあかりとみなこも慌てて自分達の席に戻る。
「オラァ~出席とるぞ~!
……あっ?!なんだソコ!?
カバンほったらかしで沖田と高島か?
あいつら、どこ行きやがった?」
「先生~!三人は今、しゅら--バ
「わぁー---っ先生!!!!今、高島さんと大川さんは、ほ---保健室に行ってます!!!!!」」
神楽の声を掻き消す様な大声で、あかりがブンブンと手を振りながら銀八の気をそらす。
「保健室?
なんだ?誰が具合わりぃんだ?
っつうか、総悟の野郎も一緒か?」
明らかにあかりの言葉に不信感を抱いたような銀八と、不満げな神楽の視線が向けられる。
「…多分…いや、知りません…。」
「フゥゥん
そうか…まぁ、いいわ
んじゃ、出席とりまぁーす」
相変わらず疑いの眼差しを向けたまま、銀八が出席を取り始めた。
フゥゥゥ…
(マジ…焦った~変な汗出てきたし!
でも、銀八の奴絶対疑ってるよな…)
あかりは、銀八と視線を合わせないように、訳もなくカバンの中を覗き込みながらこの場を乗りきった事に安堵のため息をついた。
HRを終えて、銀八が教室を後にすると、再び教室内はガヤガヤと騒がしくなる。
「さっきは、ヤバかったね!
どうなるかと思っちゃったけどバレなくてよかったぁ~」
隣の席のみなこがガタガタと椅子ごとあかりに擦り寄ってくる。
「うん…そぅだね…
(みなこってば、ガチガチに固まってたもんね!怪しすぎて絶対、銀八には嘘だってバレてただろうけど…)」
「それにしても…
春達、神楽ちゃんが言ってるみたいに何かあったのかな…」
「わかんない…ケド
きっと、大丈夫だよ!
そろそろ戻ってくるんじゃない?…」
一抹の不安を振り払うように、あかりは明るく答えた。
「だよね~
帰ってきたら、何があったか話してもらわなきゃ!」
あかりの言葉に、みなこも笑顔で反すと、再びガタガタと椅子を鳴らして席に戻っていった。
その後…
二人が想像もしえなかった出来事が起こった事を知るのは、まだ少し先の話である…。
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あかりとみなこが、神楽の一言から、とんでもない妄想をしながら春とひぃを心配していた頃
当の本人達は血まみれになる事もなく
神妙な面持ちで今まさに春が告白しようと
--ゴクリ---と固唾(タカズ)を呑むところだった。
「あのね…」
と、
意を決して春が話し出したタイミングでHRを知らせるチャイムがなり始める。
「あっ!HR始まるよ…行かなきゃ…」
話の腰を折られながらも、いざとなると話にくかったのか、少しホッとした表情の春が気をそらす。
「HRなんて、今はどうでもいいでしょ!
銀八の話なんて、聞いても聞かなくても同じなんだし!
ハィ、気にせず話して」
普段、どちらかと言えば真面目なひぃから、HRなんてどうでもいい的な発言が出た事に驚きながらも、春は諦めたようにポツリポツリと話始めた。
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「高杉君て、やっぱり優しいね…」
春から、高杉がクレープを、わざわざ買ってきたエピソードを聞いた所でひぃが一言小さく呟いた。
ひぃ的には、高杉はやっぱり春が好きで、春の事をいつも気にかけていて愛を感じる……
と、言う意味を込めての一言だったのだが、
春にとってのその一言は、ひぃが晋助に対する想いを聞かされた気がして
(晋助は、ひぃが好きなのかもしれない疑惑)
そう…
昨日から春の心を覆い始めた靄(モヤ)の様なものが一段と濃く広がるのを感じた。
「それで…
春にとって、沖田君は特別な存在なの?」
一通りの話を聞いたひぃは、思いきって春に尋ねる。
春にとって、春自身がまだ気付いていないだけで、高杉が特別な人であることは絶対だ。
でも、総悟への気持ちも特別なのか…?
ひぃは、春の本当の気持ちを知りたかった
知れば、もっと落ち込むし傷つくかもしれないけれど…
春の話を聞くうちに、ひぃ自身にとっても総悟が特別な人であることを改めて確信した今、春の気持ちが知りたい…
「総悟?」
「うん…万斎君が言うように、春にとって沖田君は特別なのかな…なんて…」
「総悟は/////…」
頬を染めて、うつむく春
(やっぱり、沖田君が本命なの…!?)
ひぃの胸がギリギリと締め付けられ
春の本心が知りたいと望んだのは自分なのに、この場から逃げ出したくなる。
「ひぃ…あのね、今から話す話なんだけど…
誰にも話したことなくて…
ひぃ、聞いても絶対笑ったりしない?」
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春の思いの外真剣な眼差しを受けて、少しの沈黙の後、覚悟を決めたひぃはコクリと頷いた。
「私ね…
全然キャラじゃないのはわかってるんだけど…
小さい時から、王子様願望が強くて////
いつか王子様が現れて、私の事を迎えに来てくれるって…
それでね、好きな人にお姫様抱っこをしてもらうのが夢だったりなんかしちゃったりするわけ…///////」
長い付き合いで、こんなにも顔を赤らめ、背景にお花を背負った乙女な春を見たのは初めてで、
総悟への想いを語られると思っていた分、肩透かしを食らった感で
ひぃは思わず後退りしてしまう。
「あっ!!ひぃ、今、引いたよね!?
なんだコイツ?気持ちわりぃって思ったでしょ!」
「おっ--思ってないよ!春に、そんな乙女な部分があった事にちょっと驚いただけ--!」
「ほんと…///?」
「本当だって!
嘘つく理由がないし!
ところで…
あの…
春の王子様願望と沖田君…とは、どう繋がるの?」
ひぃは、少し疑いの眼差しで下から覗き込む春に、これ以上突っ込まれないように続きを促した。
「あぁ…うん、あのね、高校入ってすぐ位の時の話なんだけど----
あれは…高校1年の新緑の季節------
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高校に入学して、学校にも慣れ始め、気も緩み始めた頃--------------
「ゲッ二度寝した!ヤバイ!完全遅刻じゃん!」
アラームの止められた目覚ましを見れば、既に8時を過ぎていて、
春は寝癖で爆発した頭を抱えながらも急いで仕度をする。
背後でギャンギャンと叫んでいる母を無視して家を転がり出れば、
学校への道程を猛ダッシュで走り始めた。
昨夜は高校に入って最初に出来た友達、大川ひいが貸してくれた恋愛小説にハマり、後少し---後少し---と思いながら結局朝の4時近くまで夜更かしした結果、朝から全力疾走を余儀なくされた訳で…
学校に到着する頃には、
ゼィゼィと肩で息をし、
既に閉まっている校門を避けて裏門に回ると、
周囲に人が居ないことを確認してから門をよじ登り、やっとの思いで校舎の裏庭までたどり着く。
ゼェ--ゼェ----
「ダァァァ--
なんか--慌てて--全力で走って---来たけど--よく--考えたら--どっちみち遅刻なら---ゆっくり来ても同じだったよな--ハァ--ハァ」
我ながら自分のバカさ加減に飽きれながら
それでも、既に一限目の始まって、静かな校舎の中に如何にバレずに侵入するか…
往生際の悪い春は、無い頭で真剣に考えた。
「あぁ~朝から、こんな頭使うこと無いから、なんかクラクラしてきた…だけど、こんな事晋助にバレたら、また何言われるかわかんないもんなぁ…」
教室にいない時点で、高杉には遅刻の事実は明白なのだが…
そこまで頭が回る程余裕の無い春は、
誰も居ない静まり返った廊下を覗きながら一人呟くと乱れた呼吸を整える様に何度も大きく深呼吸をする。
乱れた息は徐々に治まりつつあったが、
呼吸をする度に頭がズキズキと痛みだし、瞼の裏にチカチカと星の様な物が見え始めた。
「なんか…コレってヤバくない…?」
自分でも、段々と血の気が引いていくのがわかる…
持っていたカバンが地面に落ちた瞬間、背後で自分の名前を呼ばれた様な気がして振り向こうとした時、視界がグラリと揺れたかと思うと、春の視界が真っ暗になった。
どれくらいの時間が経ったのか…それとも一瞬だったのか…
微かに聴こえる自分を呼ぶ声に、途切れた意識が微かに戻るのと同時に頬に温もりを感じて、
自分が今、誰かに抱えられている事に気づく
(私………これって…今、お姫様抱っこされてる?なんで---誰--!?)
朦朧(モウロウ)とする意識の中で必死に閉じた瞼を開けようとしても、自分の意思に反して春は、自分を抱き抱える相手の温もりに安心するかのように再び、深い眠りに落ちていった。
--キ-ンコ-ンカン-コ-ン--
「ん………ッ」
遠くに聴こえるチャイムの音に、春は重い瞼を少しづつ開ける。
「やっと、お目覚めですかぃ!?」
「///////!?
誰?----何!?
ここどこ?
何で、私寝てるの?」
「ハァァ--起きた早々うるせぇ女ですねぃ…
ここは保健室、あんた貧血で倒れたんでさぁ
今日は、保険医が居ないんでねぃ
具合よくなったんなら、勝手に帰っていいですぜぃ」
「あの…」
「何?まだ、具合悪いんですかぃ?」
サラサラの茶髪を揺らして大きな瞳が、春の顔を覗き込む。
「ぅわっ/////////ちかっ!
いや、あの…
あなた、誰?
その…私の事助けてくれたのって…あなた--で-すか--////?」
「何で、片言なんでぃ--
?あんた、俺の事知らないんですかぃ?
」
「えぇ…まぁ…ってか、あなた有名人なの?」
「あんた程有名人じゃないですけどねぃ
1年B組高島 春」
「!---」
大きく目を見開き口をパクパクさせる春を可笑しそうに笑いながら応える。
茶髪少年は左右に首を曲げてポキポキと鳴らし、
ベッドの横に置かれたパイプ椅子から立ち上がると
「さてと…
あんたも、一度教室戻った方がいいんじゃねえですかぃ?」
未だ、方針状態の春に一言声をかけ、手をヒラヒラと振りながら保健室の扉に手をかける。
「ちょ----ちょっと待って!
名前!!---名前教えてよ!」
「…なんで?」
「あの…その//…助けてもらって…お…お礼しなきゃ!」
「助ける?
あぁ~それ?…それは-----。
(一から説明するのも面倒臭せぇし…
ここで一つ恩きせるのもいいかもしれやせんねぃ…)
…1-A組 沖田 総悟
お礼は、購買の焼そばパンでいいですぜぃ」
しばし、何か考えるように目を細めて春を見つめると
沖田 総悟と名乗った茶髪少年は、ニヤリと口角をあげ保健室を後にした。
春は、出ていく背中を星を煌めかせた瞳で見送ると
(勿論、総悟の考えている事など知るよしもなく)
ドキドキする胸にそっと手を当てた。
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「----ってのが総悟との出会いなんだけど……
その時は、保健室まで運んで付き添ってくれて、いい奴だなぁ…って思って…」
ホゥ--っと一つため息をつくと、春は、黙ったまま足元を見つめるひぃの様子を伺う。
「そ…そんな事が…あったんだ…
それって、沖田君が春の王子様って事だよね?」
ひぃは、奈落の底に落ちていくような気持ちを気づかれないように、
下を向いたまま春に言葉をかける。
「スキ////?って!それは…ん---
なんだろ…最初は、確かに総悟が私の王子様かも!?
なぁんて思った事もあったんだけど…///
ホラ、総悟って見た目だけは王子キャラじゃない?
でも、
あの後、焼そばパン毎日買ってこいとか!
何かにつけて因縁つけてくる様になって
気がついたら、今みたいな感じで、喧嘩ばっかりしてたから最初のイメージとはかなり違っちゃったけどwww」
「けど?……(でも…それでも…沖田君がすき?)」
思いきって聞きたいのに、聞きたい言葉は胸の奥に詰まって出てこない。
「ん~
たまにね、ふと思い出して意識しちゃう時とかあるんだよね////
それだけなんだけど…」
「ソレダケデジュウブンダョ…」
「えっ?何?」
消え入りそうなひぃの声に
春は聞き返す。
「えっ--うぅん、何でもない!
もぅ、HR終わっちゃったね…
さすがに、授業はサボれないし、そろそろ教室戻ろうか…
続きは、また今度ね!」
「あぁ…ぅん…そうだね…
あ~~~っ!!ヤバイ…!私、今日日直で、朝イチ銀八にプリント取りに来るように昨日言われてたんだ||||||……」
先程と違い、早く話を終わらせたがっているようなひぃの態度が気にかかったが、自分の目先の用事に、現実に引き戻された。
「えっ!!ごめん春…
私が強引に引き留めたから」
「うぅぅん、ひぃを引っ張って来たのは私だし今から銀八の所行ってくるよ」
「でも、もう授業始まっちゃうよ?」
「あぁ、銀八なら大丈夫今日は、朝イチ受け持ち授業ないからゆっくり寝れる~
とか言ってたし
一限目モッサンだから少々遅れても何も言わないでしょ?w」
「銀八っさん相変わらずやる気ないね…w
じゃあ私、先に戻って一限目遅れるって言っとくね」
ヨロシク~
と、手を振りながら走っていく春の背中を見つめ大きく溜め息をつくと、
ひぃは、自分の動揺を春に悟られずにすんだ事に安堵する。
「お姫様抱っこかぁ…
春じゃなくても、そんな出会い方したら好きになっちゃうよね…」
一人呟いて、教室へ戻るために踵(キビス)を反したひぃの目の前に人の壁が立ち塞がり、行く手を遮るのだった。
第16話へ---続く。
次回は、ひらり!!
どんな展開になるのかお楽しみに~☆