世の中には年齢を重ねるごとに
魅力的になっていく女性が存在する。
そんな女性たちに憧れて、
わたしは10代の頃からはやく大人の女性に
なりたくてたまらなかった。
素敵な大人の女性になるには？
若さを失って逆に手に入るものとは？
そんなことを考えながら、
いつも背伸びをした服に身を包んでいた。
19歳の時、実家を出たわたしは
姉と2人で池袋に住んでいた。
土地柄か、見知らぬ男に後をつけられたり
すれ違いざまに体を触られたりして
交番に駆け込むことが何度もあったが、
警官の対応も軽いものだった。
若いから仕方ない、
そんなことを言いたげな様子で。
その時になんとなく気付いてしまった。
10代の私にはなくて、
素敵な大人の女性が持っているもの。
それはエレガンスだった。
どこへ行っても大切に扱われる女性は
必ずエレガンスを身に纏っている。
エレガンスとは知性や包容力だ。
経験を重ねてこそ出来る言動、
あらゆることを乗り越えてきたから持てる
人への愛や思いやり。
言葉遣いや生活、物事の考え方など
外見的な美しさだけではなく
そこには精神的な美しさもある。
若い女性というだけで、
なめられてしまうことは実際ある。
逆に若さを失って自信をなくすこともある。
そんなとき、エレガンスは力になる。
オードリー・ヘプバーンのように
たとえ外見的な美しさに翳りをみせても
精神的な美しさは増していく。
年齢には価値がある。
時間は味方になる。
エレガンスは大人になればなるほど
磨かれていくものだから。
