朝日新聞による、米報道官のコメントに関する歪曲と捏造を許すな! | 岐路に立つ日本を考える

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 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 橋下氏の慰安婦を巡る発言に関して、朝日新聞の報道不自然な点が2つあることを、私は見つけてしまいました。

 まずは、アメリカのサキ報道官が発表したコメントとして、朝日新聞が公表している英文は以下の通りです。
リンク先は橋下氏発言を非難する米政府当局者のコメント(全文)

 Mayor Hashimoto's comment is outrageous and offensive. As the United States has stated previously, what happened in that era to those women, who were trafficked for sexual purposes, is deplorable and clearly grave human right violations of enormous proportions. We understand that mayor Hashimoto is planning to travel to the United States, but in the light of these statements, we are not sure that anyone will want to meet with him.

 これに対する朝日新聞の和訳では以下のようになっています。

 橋下市長の発言は、言語道断で侮辱的なものだ。米国が以前に述べている通り、戦時中、性的な目的で連れて行かれた女性たちに起きたことは、嘆かわしく、明らかに深刻な人権侵害で、重大な問題だ。橋下市長は米国訪問を計画しているそうだが、こうした発言を踏まえると、面会したいと思う人がいるかどうかはわからない。

 まず私がここで問題にしたいのは、those women, who were trafficked for sexual purposes, のところです。細かいことを言えば、ここでは関係詞の使い方としては明らかに非制限用法ではなく制限用法を使うべきではないかと思うのですが、今回はこの点は無視しましょう。その上でとりあえず和訳を考えると、「性的な目的のために traffic された女性たち」ということになりますが、注目は traffic です。ここで使われている traffic という単語の意味を Merriam-Webster の英英辞典で調べてみますと、次のように説明されています。

  to buy or sell something especially illegally(何かを、特に不法に売買すること)

 朝日新聞の和訳では「性的な目的で連れて行かれた女性たち」となっていますが、実際の英語に即すれば「性的な目的で不当に人身売買された女性たち」ということになります。

 アメリカ側がこの問題に関して不当な人身売買であったとして問題を捉えているという情報を、朝日新聞は読者に伝えたくなかったのでしょうか。あるいは、朝日新聞に目を通すであろう橋下氏に、米国のニュアンスをミスリードしようという工作を行いたかったのでしょうか。いずれにせよ、元の英文のニュアンスを十分に伝えていない和訳です。

 もう一点ですが、実はこのサキ報道官の発言文がそもそも、なぜか実際の発言文とは違うのです。何と、朝日新聞が用意した後半のWe understand 以下の文をサキ報道官は全く述べていません。朝日新聞が発表した英文と照らし合わせながら、以下の動画でご確認下さい。(0分51秒あたりから、朝日新聞が紹介した英文と照らしながら聞いていくと、後半の文章がまるで違っていることに気がつくはずです。)



 サキ報道官が実際に話した英文の後半部分は、実際には以下です。

 We extend, again, our sincere and deep sympathy to the victims, and we hope that Japan will continue to work with its neighbors to address this and other issues arising from the past and cultivate relationships that allow them to move forward.
(私たちは被害者の方々に心からの深い同情を重ねて表明し、日本がこれからも近隣諸国と力を合わせて過去に起因するこれらの問題に取り組み、関係を強化して前進していくことを希望するものです。…私訳)


 なぜかこの話が、橋下氏が米国の要人と会いたがっても、誰も相手にしないという話にすり替えられているわけです。朝日新聞が用意した後半の英文は、橋下氏に対する悪印象を与えるために捏造した疑いがかなり濃厚です。

 一応念のために、アメリカ政府がサキ報道官の発言をどうまとめているかについて、米国務省のサイトで確認しましたが、やはり橋下氏を誰も相手にしないという話は出てきませんでした。
リンク先はJen Psaki報道官のコメント全文を載せた米国務省のサイト

 事実をまず事実として尊重するという、報道機関に求められる第一原則が守れないのでは、報道機関としては当然失格です。報道機関にあるまじき姿勢をとる朝日新聞は許せないと思われる方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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