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「三橋経済新聞」の執筆者の1人で、友人でもある島倉原(しまくらはじめ)さんが、このたび「積極財政宣言」という書物を出版しました。実は私は出版前の元原稿の段階で読ませてもらい、あれこれと口出しさせてもらいました。昨晩島倉さんと会い、今回の書物を献本して頂きました。まだ読み始めた段階ですので、自分が口出ししたところがどのように活かされているのかについては不明ですが、自分も関わった書籍がこのように形となったことを、大変嬉しく思います。
日本政府は財政状況の悪化に伴い、これに対処するつもりで20年近くも緊縮財政を展開してきました。そして経済成長を財政に期待できない分を民間に投資させることで補おうとしてきました。そのために様々な成長戦略を描いて、規制緩和を行ってきました。しかしながら日本政府の目論みは常に裏切られ、いわゆる「失われた20年」と呼ばれる経済状況に置かれてきました。政府が緊縮財政を採用して総需要が抑え込まれている中では規制緩和をしたところで民間投資は増えないのではないか、近年の急激な政府の財政状況の悪化もむしろ緊縮財政策を採用しているからという逆説的な説明ができるのではないかと、私は思っています。政府が積極財政を行うことで総需要を高めれば、拡大する需要に民間企業もビジネスチャンスを見いだして投資を増やすようになり、政府の財政状況にしても却って好転するようになるとの考えです。島倉さんと私はこうした点で同じような考え方に立っていますが、彼は緻密な思考によってこれを立証してくれています。こうした彼の考えをまとめたものが、この「積極財政宣言」です。
本書の特徴は豊富な図表にあります。図表を読み解きながら考える作業が必要になりますが、これを読めば、積極財政によって経済成長させていくことが日本経済を復活させる解だということが納得できるようになるのではないかと思います。
多くの皆さんに手に取って頂きたい1冊です。
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