アモク・シンドローム | 心を読んでユーリカ(EUREKA)する・・・脳と心の自分分析広めています ・・・・・・・・・・by Office EUREKA (カウンセリングオフィス)

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心の解明と脳の解明の両方の理論をベースに、カウンセリング(対面/Skype/Eメール)しています。ユーリカ(EUREKA=わかった!)を伝えるカウンセラー、Mizuhoのマイペースブログです。

ここ数年、白昼突然に偶然居合わせた複数の人を殺める、そんな事件が国内外で頻発しています。

このような行動はを説明するのに



アモク・シンドローム



という言葉があります。




アモク (amok)


「アモク」とは、英語で 「amok」 、


    「突然狂躁状態になって、狂ったように暴力的な」


といった意味です。


マレー語の 「amoq」 を語源とする言葉で、もともとは、アヘンを吸って、突然街の人達を次々に殺す人を指した言葉のようです。





アモク・シンドローム


これは、


    「ある期間じっと考え込んだ後に、

     人や物に対する暴力、攻撃、または殺人行為が

     爆発的に起こることを特徴とする

     解離性エピソード。」

                         

と定義されます。「エピソード」とは、「症状」のことです。


また、アモク・シンドロームは、別の言葉では、


    「原始ヒステリー反応


とも呼ばれます。


このシンドロームは男性のみに生じるようです。





心の無意識


心を仮に丸い球と考えて見ましょう。  

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精神分析をはじめたフロイトは、心には、


   わたし達が自分でわかっている「意識」の部分と

   

   自分自身でも気づくことができない「無意識」の部分


からなっていると考えました。


境目はあいまいで、下の図のようにグラデーションがついているような状態です。


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これではわかりづらいので、今日は下の図のようにシンプルに区切って考えて見ましょう。


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この考え方をベースにして、フロイトの弟子の「ユング」が無意識をさらに、


    「個人的無意識」と


    「普遍的無意識」に


分けることができると考えました。


個人的無意識とは、


   人それぞれの個人的な経験をベースにした無意識で、


たとえば、失恋のトラウマがあったりします。


普遍的無意識とは、


   人種を超えて共通してもっている無意識で、


たとえば、世界の多くの民族が、崇高な女性像に神秘性と敬いの心を感じたり(例:マリア様、観音様など)、

世界の最初の状態をドロドロとした状態(カオス)と考えたりするような、神話や昔話などに見られる共通性にあらわれたりします。


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見方を変えると、心は意識の上部に近いほど、


    理性的、すなわち人間的な自分で、


普遍的無意識の底に近いほど


    原始的で本能的、すなわち動物的な自分と


考えることができます。


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原始ヒステリー反応を起こす解離性エピソード

      (アモク・シンドローム)


メンタルヘルス領域では「解離性」という言葉は、

 

   心がパーツに分離する


という意味で使われます。


この分かれ方は、大きく分類すると、


    「縦分割」と

    「横分割」が


あります。



たとえば、解離性同一性障害の多重人格症は、縦分割で心が複数の人格のパーツに分かれます。


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で、アモク・シンドロームですが、これは、


  横分割の解離性で、



下の図のように人間的な自分と、原始的な自分が分かれた状態と考えればわかりやすいと思います。


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通常、原始的な自分は、人間的な自分の理性でコントロールを受けているわけですが、このように解離すると、原始的な自分は一人歩きをはじめます。


たとえば、意識朦朧とかトランス状態は、究極の自分の「素」の部分(原始的な自分)が出てきた横分割と考えられます。



そして、アモクの原始ヒステリー反応。

これは原始的な自分の凶暴な一人歩きで、

  

    原始的な自分に動物的な感情の爆発が起こり、

    その結果暴走する行動



と考えることができます。

これがアモク・シンドロームです。





さてさて、オチはないのですが・・・

つい先日も起こった痛ましい事件を機に

アモク・シンドロームの説明を試みました。

机の上の説明で、世間でおこる無差別暴走行為の痛ましい事件の解決につながるわけでもなし、

被害者の方々の悲しみがおさまるわけでもなし・・・



確かにそうなのだけど、成果に直結するか否かといったとらえかたでなく、多くの人が事件の裏に見え隠れする心理の理論を知識としてもたれることで、様々な事件をみるわたし達の問題意識がより科学的なものへとシフトアップするのではないかと私は思います。



昨夜の日本のサッカーは、惜しくもPK戦で敗退しました。

しかし、日本のサッカーの実力はずいぶんとあがったものだなーと感じた今回のワールドカップでした。


あの実力は選手達や指導陣の才能と努力のたまものであることは当然の事ですが、その一方で私たちのサッカーへの関心やサッカー人口の増加も一翼を担っていると思います。


同様に、というと、ちょっとおこがましいのですが、

わたし達がこの世の中の様々な事柄から一歩距離をおいて、科学的に物事をみる試みをもてば、その積み重ねが、より良い社会へと結びつく底力になるのではないかと私は思います。


ん?


ちょっと脱線気味ですが、昨夜のフィーバー疲れと大目にみていただいて・・・


ではでは。