みなさんこんにちは!
ご機嫌いかがですか?
今回は、僕が住んでいるスペインの北東部に位置する、バスク(バスク州あるいはバスク地方とも呼ばれます)の美しさについてお話ししたいと思います。
僕が永住のためにスペイン北東部のバスクのイルン(人口6万人)という町に来たのは、今から34年前の1990年の4月25日のことなのですが、僕が初めてイルンに来たのは、その時が初めてではありませんでした。
それよりさかのぼること、15年前の1975年に、一度イルンに来たことがありました。
当時僕は21才でロンドンに住んでいました。
そしてロンドンの英会話学校で、現在の妻と知り合いました。
彼女が僕が生まれて初めて知ったバスク人でした。
彼女がスペインから来た女性(ひと)だということは、クラスメイトはみんな知っていたので、当然僕も彼女のことをスペイン人だと思っていたので、フラメンコとか闘牛のことを聞いたところ(当時はバスクの存在すら知りませんでした。)、即座に「私はスペイン人じゃないから、フラメンコとか闘牛には興味がないの。」という答えが返ってきたのです。
一瞬彼女の言ったことが理解できませんでした。
「スペイン人なのにスペイン人じゃないって、一体どういうことだ?」と思いました。
すぐに彼女に聞きました。
僕「スペイン人じゃないってどういうこと?」
彼女「私はバスク人なのよ。」
僕「でも君の国籍はスペインでしょ?」
彼女「国籍はスペインでも、私はスペイン人じゃなくてバスク人なの。バスク人とスペイン人は、人種も言語も全て違うのよ。」
これが僕がスペインのバスクの存在を知った最初でした。
それが1975年のことでした。
そして間もなく、僕と彼女はつき合うことになり、1975年のその年のクリスマスに、実家に帰省することになった彼女に誘われて、イルンに来たというのが、僕がバスクを訪れた最初でした。
そして彼女についてイルンに来て、彼女の案内でスペインバスクとフランスバスクの両方の美しい町並みや自然を目にした時に、「このバスクは、今まで見た中で一番美しいところだ!完璧だ!」と、感動してしまいました。
「一番美しいところだ!完璧だ!」と思ったのには、僕なりの理由がありました。
その理由とは、それよりさらにさかのぼること、3年前の1972年に体験したことが理由でした。
その体験とは、僕が大学に入った年の夏休みに、大学の研修旅行で、1ヶ月の間、欧州の8ヵ国(ギリシャ、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、スイス、オランダ、イギリス)を訪れたことがありました。
生まれて初めて、写真とか映像を通してではなく、直接自分の目で見て、自分の肌で感じた、ヨーロッパの国々・街並み・自然の美しさには、ただただ感動するばかりだったのですが、その中でも僕が「ここが今まで見た中で一番美しいところだ!」と思ったのが、スイスの山岳地帯にある「ツェルマット(標高1620m)」という、小さな町でした。
この「ツェルマット」という町は、人口6000人ほどの町で、昔から公害防止のために車を一切禁止している町でした。(なので車は一台も見ませんでした。)
「ツェルマット」は、スイス・アルプスの登山口として、またスキー場としても、世界的に知られていて、さらに「ツェルマット」からは、あの有名な「マッターホルン(4478m)」が、目の前に一望できることでも有名です。
僕は、「ツェルマット」を訪れた時「ここが今まで見てきた中で、一番美しいところだ!」と感動したのですが、同時に「残念だなァ。ここツェルマットには海だけが足りないな。これで海があったら完璧だけど、まあ完璧なんてあるわけないな。」と思ったのです。
それ以来、海こそありませんが「ツェルマットが一番美しい!」と思い続けていました。
しかし、妻に案内されてスペインバスクとフランスバスクの美しい山々や海や砂浜を見たとき、「このバスクには、ツェルマットを思い出させる美しいピレネー山脈(3000m級の山々)がある。さらにバスクには、ツェルマットにない、広大な海や美しい砂浜もある。このバスクは完璧だ!」と思いました。
ちなみにあの「ルルドの泉」で有名な、巡礼地のルルドも、バスクから近いのです。
以上が、僕が「今まで見た中で、バスクが一番美しい。」と思った理由です。
人それぞれ好みがありますから、それぞれの人が、その人なりの「あの国が一番美しい」とか「あの町が一番好きだ」と感じる場所があると思いますが、僕にとって、昔から一番美しいと感じたところが、バスクだったわけですが、まさかその一番好きになったバスクに、一家で永住することになろうとは夢の夢にも思いませんでした。
続きは次回のお楽しみに!
それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!
みなさんお元気で!
スペインのイルンより心を込めて、、、
水谷孝