もう一通、時を同じくして、次のようなメールをいただき、このこともまた、私をとても勇気づけてくれるものでした。体験談の持つ説得力、被害を受けてしまった人たちが声を上げてくださったこと、それは確実に人のために生かされていると確信します。



「かこ 様

 ○○と申します。

長文になりそうですので、メールをさせて頂きますね。



発達障害(アスペルガー障害)と小4の時に診断を受けた18歳の息子の事なのです。

診断を受けた病院は定期的ではなく何か相談事があると通院するという状態が10年程続いていました。


現在、浪人生です。

昨年4月から予備校で一生懸命頑張っていた息子は、先の見通しを立てるのが苦手で、頑張りすぎてしまう、友人関係が上手く築けない、などの不器用で生きづらい特性も起因してか、4か月経った8月に、勉強をしようと思っても出来ない、などと意欲低下を感じ、病院へいきたいと言い出しました。

そこで連れていたのですが、病院では「薬を飲むという選択肢もあります」と言われ、初めて薬を処方されました。

エビリファイ3mgを30日分です。



当時の私は、薬を飲めばやる気が湧いてくるものなのだろう、と思っていました。

しかし、投薬を始めて20日程経つと不安感が出てきましたので、病院に電話で診察希望の旨を伝えました。

「倍の6mgに増やしましょう」と言われ、診察はしてもらえず薬だけもらいに行きました。



そして、6mg飲み始めて3日程経つと、じっとしていられずウロウロする、焦燥感が強くどうしようもない、といった症状がどんどん強くなってきました。

このどうしようもない気持ちを抑える薬が欲しい、辛いと、息子は言いました。

そこで、また病院に電話しました。

「不安を抑える薬を出しましょう」とメイラックス1mgが追加になりました。



息子がそのような状態の時、発達障害のグループワークに参加する機会を持ち、上記の話をしました。

そして、発達障害の人は多くの方が経験されていますが、薬が効きすぎる傾向があります、と、教えていただきました。

まさに目から鱗でした。



不安感が強くなったのも、エビリファイを3mgから6mg増量したからではないのか、と疑問を持ち始めました。

そして、じっとしていられないのは、副作用のアカシジアではないかと思い、医師に伝えましたが、

「低量の処方なので、ありえない」との返答でした。

一般的には低量処方でも、薬に対する過敏がある人にとっては低量処方に値しないのではないのか、など色々と不信感が募っていくばかりでした。



そのあと、自己判断でエビリファイ1.5mg+メイラックス0.5mgに減薬しました。

副作用と思われる、じっとしていられないなどの症状が軽減していきました。


もともと意欲低下で悩んでいたのに、投薬してもそれは何も解消されずに、不安感だけが強くなっていく息子を見て、そもそも薬を飲む必要があったのか、と強く強く疑問に思うようになりました。

そこで、薬をやめさせたいと、医師に伝えたら、

「ますますひどくなりますよ」と言われ、多少の不安を感じましたが、強く希望したため投薬中止となりました。



それから10日ほどしたら、息子は希死念慮、焦燥感、イライラ、物を壊す、が始まりました。不安になり、病院に電話をすると、

「エビリファイを飲ませてください」といわれ、いわれるまま、1.5mg飲ませたところ、物を壊す、イライラがピタッと治まりました。



そして、グループワークへ参加しました。

そこで、この息子の状態は断薬症状ではないかと教えていただき、また、かこさんのブログを紹介して下さいました。


10年ほど通った病院でしたが、不信感が募っていくばかりでしたので、紹介状を書くようにお願いして転院をしました。


転院した病院で、上記の一連の流れを話したら、

「抑うつ状態ですね。入院したら早いけど浪人中だからね、無理かな」とさらっと言われて、SSRIのジェイゾロフトが追加になりました。


しかし、かこさんのブログや本を読ませて頂き、精神医療の予備知識を得た私は、未成年の息子に薬を飲ませる怖さを痛感していたので、結局、ジェイゾロフトは、飲ませることはできませんでした。

(この二番目の病院の医師は、個室である診察室で医師という権力でもってして、まるで威圧的に投薬治療を強制するかのように感じてしましました。

18歳の息子は処方された抗うつ剤を、「飲んでみます」と、その場で反射的に返答していました。まだまだ世間知らずの正しい判断が出来ない息子は、ただ良くなりたい一心だったと思います。

しかし、帰宅後、「あんなイライラした先生に診察して欲しくない」との言葉に、私は、ほっと胸をなでおろすことが出来ました。)



2回目の診察日に正直に、薬は飲ませたくない旨を医師に伝えると、イライラし始め、治療が進まないから困ると憤慨されました。

その医師の発言は、あたかも動物実験を施すかのようにしか聞こえませんでした。



で、また転院です。

また一連の話をしました。

発達障害ということで、ストラテラが処方されましたが、やはり、受験の不安定な時期に新たに薬を飲ませられないと伝えました。


私の真意は、もうこれ以上、未成年の息子に新たに薬を飲ませたくないのです。


現在は減薬途中で、エビリファイ0.5mg+メイラックス0.25mgです。

息子の状態を見ながら、徐々に減薬しています。



本人は今回のことで頑張りすぎるとこうなるということが、自分なりに心と体で感じたようです。

想像力、先の見通しが弱い息子は、失敗を繰り返し体験していくことが多いのかもしれません。そんな経験が多く、高校時代に自己否定感を募らせてしまった息子ですが、親として、希望を捨てずにいて欲しいと思っております。



それにしても、本当に精神医療の真実を知らなかったら、医師の処方通りの薬を飲ませて、息子も薬漬けになっていたと思います。

グループワークで頂いたアドバイスや、紹介して頂いたかこさんのブログ、ご活動に息子は本当に救われたと思っております。

心から感謝しています。本当にありがとうございました。」