ようやく、ようやく、ようやく、「石郷岡病院事件」の本ができました(発売は1月31日ですが、アマゾンで予約できます)。

 ここに来るまでいろいろなことがありました。

 裁判そのものも紆余曲折を経て、結果、刑事事件では信じられないような判決になりました。

 

 この本は、精神医療にかかわることで、人生の歯車が狂い始め、その後も医療に関わればかかわるほどに、悪循環の渦に飲み込まれてしまったある男性(陽さん)の軌跡を描いています。私としては、その「治療」と言われるものの過程を解きほぐすことで、精神医療、また精神病院というものが、いかに患者を「治療する」ということから遠いところにあるかを証明することに主眼を置いたつもりです。

 また、もう一つの事例では、殺人的な薬の処方が、現実の「死」を招いてしまった、その過程も追っています。

 精神科のカルテには「嘘」が多いです。

 カルテは医療者側から見ただけの、一方的な記述であり、患者がどうしたこうしたという「結果」しか書かれていません。

 しかし、じっくり読み、さらに薬の処方の変遷と合わせて読むことで、見えてくるものも確かにあります。

 そこに精神医療の真実のようなものが浮かび上がってくるのではないか・・・そんな期待をもってこの本を書きました。

 どうぞよろしくお願いいたします。