抗精神病薬、リスパダールに関する情報提供です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/amp/k10012119291000.html?fbclid=IwAR2oN7u_5uN3tJ2ATxlnP4pZeK0UUEROBbLXF5qFgwcUPYPjkAO79v0hgCI

 

以下、記事の引用です。

 

 

 2019109

 80億ドル賠償命令 胸膨らむ副作用で医薬品大手に アメリカ

 

抗精神病薬の「リスパダール」を服用したアメリカの男性が、副作用で胸が女性のように膨らんだと主張して医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」を訴えた裁判で、アメリカの裁判所は会社に対し、80億ドル日本円でおよそ8500億円の賠償の支払いを命じました。

この裁判は、アメリカ・メリーランド州に住む26歳の男性が、子どものころ医者に処方された抗精神病薬の「リスパダール」を服用したところ、副作用で胸が女性のように膨らんだと主張し、副作用の警告を怠ったとして販売元の医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に損害賠償を求めているものです。

東部フィラデルフィアの裁判所の陪審は8日、会社に対し、80億ドル日本円でおよそ8500億円の賠償の支払いを命じる評決を言い渡しました。

「リスパダール」をめぐっては、服用したところ女性のように胸が膨らむ副作用があったとして会社側を訴える裁判が1万3000件余り起こされていて、今回の賠償額は一連の裁判で最高額だとアメリカのメディアは伝えています。

評決に対し「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は、会社のホームページで、「行き過ぎた、根拠のない評決を取り消すための行動に出る」とする声明を発表し、上訴する方針を明らかにしました。

 

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リスパダールを処方された方は、日本でもすごい数にのぼるのではないでしょうか。男性で「胸が女性のように膨らんだ」という話も聞きます。

これは抗精神病薬にある、「高プロラクチン血症」という副作用です。

 プロラクチンは脳下垂体で分泌されるホルモンで、異常に分泌されると高プロラクチン血症になります。抗精神病薬の働きの一つであるドーパミン遮断。それによってプロラクチンの分泌が異常に活発になり、高プロラクチン血症が発症します。症状としては、性機能障害、 不妊、無月経、女性化乳房、乳汁漏出など。

 それにしても、賠償額が8500億円とは、しかも、同様の訴訟が1万3000件余起こされているとは、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」(ヤンセンファーマ)も真っ青でしょう。

 高プロラクチン血症は飲んでいる患者さんもなかなか医師に訴えにくい症状だったりして、見逃されやすい副作用ですが、ホルモン異常ですから、全身に影響を与えます。また、骨量減少や乳がんの原因の可能性も示唆されています。

 しかし、日本の産婦人科では、この高プロラクチン血症という副作用を利用して、母乳の出にくい母親に抗精神病薬=「ドグマチール(スルピリド)」が処方されているという話があります。

 アメリカの裁判結果とはあまりにかけ離れた、日本の医療界の「副作用」の考え方に、ただただ唖然とするばかり。