東洋経済オンラインの記事で、デパスについて松本俊彦先生はインタビューにこう答えています。まず、「デパスは本当に止めづらい薬」としたうえで、

「薬物依存の治療の中で覚せい剤の治療はほとんど入院せずに外来診療できます。しかし、デパス(エチゾラム)のようなベンゾジアゼピン受容体作動薬依存の人は1~2カ月間の入院が必要になります。根気よく薬の量を少しずつ減らし、退院後も外来での治療を継続していきます。」

https://toyokeizai.net/articles/-/324565?page=4

この言葉を真に受けて、松本先生が所属する国立精神・神経医療研究センターに「デパスをやめたが、離脱症状がすさまじく、入院をしたい」と相談をした方がいます。

ところが、返ってきた答えは(松本先生ご自身が電話に出たわけではありませんが)、「うちでは離脱症状の治療はやっていません。薬をやめて2カ月も経っているのだから、もう薬の影響はありません」というものでした。

インタビューで答えた内容とは違うものでした。それとも、これは他の病院についての話なのでしょうか(としたら、デパスの減薬に対応しているらしいその病院を教えてほしいです。それとも、教科書的な一般論での発言に過ぎないものだったのか?

ともかく、薬物依存と言えば、松本俊彦先生です。だから、東洋経済の記者も松本俊彦先生にインタビューをしたわけです。で、デパスは止めるのがたいへん(なぜたいへんなのか、つまり離脱症状がきついからです)。でも、自分の属する病院では、離脱症状の治療はしていませんと。

薬物依存における第一人者と目される医師が所属する医療機関が、このような考えなわけです。厚生労働省が意見を聞くもの、こういう「専門家」なわけです。

離脱症状は2カ月でよくなる。

 現実とは乖離している医療界のコンセンサス。この壁はかなり厚いです。