今に始まった事ではないけれど、改めて「精神医療」の質の低さを思い知らされています。

 とくに子どもを取り巻く状況は、ひどいものです。

 

 どんな症状でも、精神科を受診すれば、今や「ADHD」という診断が下るようです。

 忘れ物が多いから、診察中、足をぶらぶらさせていたから。

 たったそれだけでADHD。

 で、処方されるのはエビリファイ。

 結局、その副作用でいろいろ問題行動が出て、今度はそれを抑えるためにさらなる向精神薬が追加される。

 

 あるいは、なんの診断も下さないけれど、薬だけは出してみる(「とりあえず」という言葉とともに)。しかも、抗精神病薬を。

 一体何のための薬なのか。

 それで不眠を訴えれば、ベンゾ系睡眠薬はたくさん処方できないので、ロゼレムだ、ベルソムラだと、ベンゾ以外の睡眠薬をしこたま重複で処方する。

 子どもへの抗うつ薬処方は注意が必要なのに、薬が合わないと次から次へと薬を変えて、どれも合わないと「重度のうつ病」にされています(自分がヤブなだけなのに)。

 薬の履歴を見てみれば、あれよあれよと、薬の種類と量が増え、挙句、やれることがなくなると、電気ショック。

(電気を断り続けている保護者には、電気をやらないからよくならないと嘘を言います。あるいは、電気を受けさせるために、その効能についても医師は平気で嘘を言います。そんなエビデンスはどこにもないのに、素人相手と見くびって。)

 

 こういう医師たちが子どもの「不調」を診ているのかと思うと、本当に、これから先、子どもたちはどうなってしまうのか、暗澹たる気持ちになります。

 

 子どもの数は減る一方なのに、発達障害と診断される子どもの数はうなぎ上り。

 ということは、服薬している子どもの数もうなぎ上り。服薬している子どもの割合は増える一方。

 

 先日、CRC日本(子どもの権利条約 日本)で、そのブックレット作成のため、「子どもと精神医療」について少しお話をさせていただきましたけれど、つくづく、こうした医療がはびこり続けると、日本の未来はとんでもないことになると感じています。

 学校が児童生徒を良かれと思って(あるいは排除のため)、精神医療につなげていますが、こうした精神医療の現実を教師たちはもっと知るべきです。自分がつなげている精神医療がいったいどういうものであるのかを。

 現在、教師や生徒に「精神疾患教育」をすることが流行っていますが(今年度から高校の保健体育の授業に「精神疾患教育」が盛り込まれました)、そんな薄っぺらな知識より、精神医療のリスクについて、薬の副作用について、処方薬との付き合い方について等々、精神医療リテラシーを高めるような教育を行うべきです。

 精神科医の、精神科医による、精神科医のための精神疾患教育なんて、結局、精神医療につなぐための方便でしかなく、百害あって一利なしです。