令和2年の患者調査が発表されました。

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 うつ病総患者数。2020年は、なんと127万5000人。

 24年前の1996年(20万7000人)の6倍以上です。

 

 新規抗うつ薬が日本に入って生きたのが1999年、それ以降、うつ病キャンペーン、いわゆる「SSRI現象」として、うつ病は急増しました。1999年から2008年のグラフの右肩上がりを見れば一目瞭然です。

 その後、グラフは平らな時期を経て、2014年あたりから、またしても増加しています。

 

 もう一つ数字をあげれば、OECDの報告です。

 それによると、国内のうつ病の有病率は2020年で17.3%(もう少しで5人に1人の割合)。2013年の7.9%から倍増しています。

 

 こうした現象の背景には何があると考えられるでしょうか。

 

 2020年だけを考えれば、「コロナうつ」が関係しているのかもしれません。しかし、それ以前、2014年~の増加はそれでは説明できません。

 考えられるのは、一つには、発達障害の二次障害を「うつ病」と誤診しているケースが多いのではないかということ。

 もう一つは、発達障害と診断されながら、さらにうつ病と診断されている人が増えているのではないかということ。

 時期的にも「大人の発達障害」が喧伝され始めた頃と一致します。

 「発達障害」が背後にあれば、うつ病治療をしても、うつ病がよくなることはないでしょう。

 いや、そもそもうつ病治療って、抗うつ薬の服用ですから、どんなうつ病も大して効果はないわけです(プラセボとほぼ変わらないという研究結果)。

 こんなにうつ病患者を増やして(増えているのではなく、誰かが、どこかが、明らかに増やしています)、日本はどうなってしまうのでしょうか。安易な診断、安易な投薬。