こんにちは 建築エコノミストの森山です。
先日サッシュの窓ガラスのところで飛び跳ねている小さな蜘蛛をみつけました。
子供のころ「朝の蜘蛛はころすな、夜の蜘蛛はころせ」と祖母から言われたりしたことを思い出しました。
私は、かわいそうなんどちらも殺さなかったですが
蜘蛛は害虫を取ってくれるから、気持ち悪くても殺しちゃダメということだと思います。

なんとフランス語にもそんなことわざがあるそうです。

Araignée du matin, chagrin; araignée du soir, espoir.  
アレニェ デュ マタン シャグラン アレニェ デュ スワール エスプワール
「朝の蜘蛛は悲しみ、夜の蜘蛛は希望」

というんだそうです。

さて、家相の話の続きですが
その内容はというと、以下の方位盤に示すように、まず鬼門は避ける。そして、方位的に吉である東南から入り、西北にいろんなものが溜まっていくというイメージ。
鬼門は当然入り口として使用しない、そして南側は夏暑くモノが腐りやすいので台所などは置かない。
東から昇った太陽が西に沈むように、東からいい感じのものがやってきて西で止めるということですね。

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これは、住環境の条件に当てはめると、実は非常に合理的だったりします。
やはり北東は風や湿気の入り口、そして西日は暑い、南は暑くて貯蔵したものがダメになる。

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上記平面図は、そういった環境要因に配慮するだけでなく、本当に家相判断したプランのデザインですが
家相そのものを気にされている場合はこういった対応もしています。
機能以外の面では、東南の吉といわれる方向に向かって張り出しや、離れを設けたり、門扉をきちんと配置し屋根をかけるが母屋に対してこじんまりバランスよく、主人の寝室や書斎は西北方向にする、といった吉相になるように配慮しています。方位盤の中心は建物の重心をきっちり出して判断しなければなりません。

そこまで家相そのものにこだわらなくてもかまわないのであれば下記の図を考えておけば常識の範囲です。

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ということで、日本の気候環境を配慮したものにうまくアレンジされています。
ということなら、今政府も含めCO2削減や資源の有効利用を提唱する環境順応型の住宅に相違ないことになります。政府が推奨する政策には以下のようなものがあります。

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そんな、政策論議にのっとりながら技術的にも素材的にも究極突き詰めたら、日本のように国土が南北に細長く海流や大気の影響を受けて、四季がはっきりしている場合には、各地の建物は風土に応じて、亜熱帯性気候から亜寒帯気候の国々とよく似た形態や仕様になってきます。
それが各地の民家のデザインということになりますね
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結局、日本には地域ごとに独特の風土的デザインを進化させるのがふさわしいのであって、大手ハウスメーカーのように普遍的な処理方法を空調設備や機械でむりやり順応させようとするのは間違っているわけです。
と、同時にデザイナー住宅も各地の風土性を取り込んだデザインを地域の設計士さんたちが伝統的な処理から読み取って解決すべきなんですよね。
つまりは、世界中どこでも同じ形とか、どこでも大きなガラスとか、どこでも打ち放し建築なんていうのはナンセンスなのです。