花崗岩のことを御影石と総称しているというお話はしましたが、この御影石というのは神戸六甲の東灘区御影で産出します。
白と黒のゴマ塩柄は石英と長石と雲母が均質に入り混じった硬く、磨き加工により艶の出る最高級品として位置づけられていたようです。
古代の石棺に使われていたり、豊臣秀吉が築城その他に使用したり、墓石の素材としても有名です。
現在は採掘がストップしているため、かつて採掘された在庫の御影石(御影で取れた本御影)は、かなり貴重でもあり高価です。

この御影石(総称)は、緯度が高くなればなるほど石の質がよくなるとも聞いています。地球の潮汐の関係で赤道付近で産出する御影石はもろく割れやすい、極に近い方が凝集されて強いそうです。
石は地層との関係で地球規模の話になってきますね。

この御影石の仲間は日本中さまざまな地域ごとに採掘使用されていますから、各地に存在しますが石の目や色味、石英の粒度などによってその使用部位やグレードが異なっていて面白いです。

岡山県には万成石と呼ばれる赤い御影石があります。
瀬戸内海の島々にも御影石の採掘場が数多くあり、特に有名なのは大阪城築城の際に岡山県北木島の巨大な石が海路運ばれていたそうです。
そういった意味でも、豊臣秀吉という人は土木、建築に明るかったことを物語りますね。
今話題の映画「火天の城」に出てくるような優秀な工人の存在もそうですが、それらに依頼するクライアント側、為政者側が建築土木に明るいということが、建築・土木分野の最終的な品質や価値を決めるのだということが実証されるゆえんです。

頼む側の人間の度量や品格、教養が建物にも現れるとするなら、昨今の貧しいニュータウンの町並みや、奇矯な公共箱物を生み出しているのは、ハウスメーカーやゼネコンや建築家だけの責任とはいえないないのではないでしょうか。
そのようなものでもよしとしてきた地域住民、国民全体の問題でしょう。
また、そういった伝統文化の伝承や伝播を後回しにする教育や報道の姿勢です。

と話が脱線してしまいましたが、他にも多くの御影石が存在します。
関東では茨城県に多くの採掘場がありまして、稲田石などは有名です。

それらも含めて、ざっと一覧でご紹介しようと思います。
本日は伊豆に出かけていますので、更新で加筆する予定です。