木造住宅の構造について一般の方からよく聞かれることに、
「在来木造工法と2X4工法はどちらが強いんですか?」
というものがあります。

そんなときはこう答えています。
「強くしたほうが強くなります、強度計算を考えないで作ればなんだって弱くなります。」

これは、
「アウトボクサーとインファイターのどっちが強いんですか?」
建築エコノミスト 森山のブログ
とか
「変化球主体の投手と直球主体の投手とどっちが勝てますか?」

建築エコノミスト 森山のブログ
とか
「ウェスタンラリーアットとアックスボンバーとどっちがダウンを奪えますか?」

建築エコノミスト 森山のブログ

と聞いているようなものなのです。

構造方法や工法というのはあくまで技であり、
強度を発揮できるように設計しキチンと施工することが大事なんです。

前項の質問に即せば
「パンチを当てて、相手の攻撃をかわし、スタミナがある方が強いです。」
とか
「ストライクを確実に取れて、バッターの裏をかける投手の方が勝てます。」
とか
「先に仕掛けてヒットさせた方がダウンを奪えます。」
と答えることになります。

なので、どちらが強いかではなく、「それぞれの工法の利点、長所はなんですか?」
と聞くのが正しい質問です。

そういった意味では、
在来木造の長所は、
柱と梁による棒状木部の組み合わせなので、掃きだし窓などの開口部を比較的自由に取りやすい、
結果、外側に向かってリフォームがしやすい
2X4木造の長所は、
床も壁も細い枠材と合板パネルの組み合わせなので部材が軽く施工が早い。
外回りの壁全体が構造なので、窓の位置に制限が出る反面、内部間仕切りを非構造としやすいので、
結果、内側に向かってリフォームがしやすい

面白いことに、たとえ話のまま
在来木造はアウトボクサータイプ、2X4木造はインファイタータイプということになりそうです。