東直子(十階 短歌日記)@ 若かったときを思い出す。美しくも、楽しくもなく、息苦しさにもがいていた。

野間幸恵(句集 ステンレス戦車)@ ティラミスや夕日のおくの重量挙げ

石岡良治(視覚文化「超」講義)@ 千葉雅也さんが『動きすぎてはいけない』で「現在は接続過多の時代だから、然るべきところで切断しよう」と提唱したよね。これは情報社会に対する強い倫理的な主張も伴っていて、世の中が接続過多に疲れている時代に、シンプルで有効な処方を提示したと思う。

上田信治(句集 リボン)@ 秋の魚かさなりあつて眼が大きい

是枝裕和(運命の女優たち)@ ない人が我を張るっていうのは「作品よりも自分のほうが可愛いから」だと思う。

中村冨二(句集 童話)@ 他人の家ばかり並んで夜が来た

東直子【短歌】@ ここで泣いた。思いだした。生きていた。小さな黒い虫になってた。

東直子(十階 短歌日記)@ こんな年になっても、唐突にさとされることがある。

尾崎放哉【俳句】@ 手のゆびのほねがやせ出したよ

林修(仕事原論)@ 極論ですが、僕は基本的に仕事と家庭以外の人間関係はいらないと思っています。この二つの関係を強固にしていれば、人生はなんとかなるものです。

石部明(セレクション柳人 石部明集)@ 見たことのない猫がいる枕元

太宰治(津軽通信)@ 人間の心というのは、君たちの書く小説みたいに、あんなにはっきり定っているものでなく、実際はもっとぼんやりしているのじゃないか。

長嶋有(句集 春のお辞儀)@ はるのやみ「むかしこのへんは海でした」

坂口安吾(分裂的な感想)@ 私にとっての文学は、いわば私個人だけの宗教であるかも知れない。

阿部完市【俳句】@ 木にのぼりあざやかあざやかアフリカなど

ヴォネガット(スラップスティック)@ 人間にはありったけの身内が必要だーー必ずしも愛でなくていい、ごくありふれた親切の送り手や受け手が

穂村弘(歌集 水中翼船炎上中)@ あんなにもティッシュ配りがいたことが信じられない夕闇の駅

ヴォネガット(現代作家ガイド6)@ アメリカ合衆国へきて円盤人たちはふたつのものにめんくらった。「あれはどういうことなんですか?」と円盤人たちは質問した。「フェ ラチオと、ゴルフは?」

尾崎放哉全句集@ 大ろーそくに、春の夜を守る

樋口由紀子(句集 容顔)@ 一つの部屋に二つの明かりウーロン茶

是枝裕和(運命の女優たち)@ 57年も生きてくれば出会って別れてそこから学ぶこともあれば失うこともある。何かに出会うために何かを失うのかもしれない。いつ何が起きるかはわからない。だから作りたいものを作り続けるしかない。作り手だから。作りきれないだろうけど、死ぬまでやっても。

悩んだときに元気が出るスヌーピー@ 「誰かに何故きらいかって訊くのはいいけど、何故好きかは聞いちゃいけないわ」「どうしてさ?」「そのほうが難問だから」

小野裕三【俳句】@ 春の夢何万トンの空だろう