おみおくりの作法 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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退屈すぎる展開と、切なすぎるラスト。


2015年1月24日公開
監督:ウベルト・パゾリーニ
出演:エディ・マーサン
ジョアンヌ・フロガット 他


【賛否両論チェック】
賛:“他人の死”を敬意を持って見送ろうとする主人公に、深く考えさせられる。何とも言えない切なすぎるラストにも要注目。
否:展開は極めて静かで単調なので、眠くなること請け合い。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・基本的にはなし


 孤独死した人々を見送る市の職員の姿を描いた作品です。


 ロンドンのケニンガム地区の民生係、ジョン・メイ。彼の仕事は、身寄りのない死者の親族を探したり、引き受け人がいない者は代わりに葬儀を執り行ったりすることでした。勤続22年になる彼の仕事ぶりは、端から見るとやりすぎなくらい真面目で、亡くなった人の好みや宗教を出来る限り尊重し、死者が安心して旅立てるよう供養していました。


 そんな彼の下にある日、いつものように身寄りのない遺体発見の一方が入りますが、その住所を聞いたメイは驚きます。なんとそこは、彼の暮らすアパートの向かいの部屋でした。孤独死した老人の名は、ビリー・ストーク。メイは早速親族を探し始めますが、そんな彼は突然上司に呼び出しに遭い、「仕事の手間のかけ過ぎ」を理由に、解雇されてしまいます。自分のことより、ビリーの案件を気にするメイに、上司は、
「それが最後の仕事だ。3日で片付けろ。」
と指示するのでした。


 改めて、ビリーの身元を調べ始めるメイ。彼はひとまず、部屋にあったアルバムの写真を基に、ビリーがかつて働いていたパンの加工場を訪れます。そこで彼は、昔ビリーの親友だったという男から、彼の人となりを聞き出します。短気だが一途だったビリーには、メアリーという恋人がいたとのこと。メイはそのメアリーを探し、街中を歩き回ります。そうしていくうちに、次第にメイの中でも、少しずつビリーに対して“友情”にも近い感情が沸き上がってくるのでした・・・。


 見ず知らずの他人の死と正面から向き合い、誰に何と言われても死者に敬意を忘れない主人公の不器用な姿に、思わず尊敬の念を感じます。そんな彼が淡々と死者の過去を辿るストーリーなので、かなり単調で眠くなりそうです。静かな映画が好きな方でないと、観るのはやや厳しいかも知れません。


 ただ、ラストは思いのほか意外な形で、とても切ないです。というよりむしろ、とても哀しいです。あまり言うとネタバレになりますので、詳しくは是非実際にご覧になってみて下さい。


【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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