僕の再就職の話シリーズです。
第6話はこちら
普段は人を褒める事などない先輩のAさんも…
僕が会社に入って1年が経とうとしていたある日、社長から突然、食事の誘いがあった。
「いつも頑張ってくれているから、特別だから、他のみんなには内緒にしておいてくれ…」
と、社長に口止めされていた。
そして週末の仕事上がり、他のみんなには気付かれない様に1度帰宅するふりをして、約束の店へと行った。
中華のお店で、高級店ではないが、料理も美味しく、紹興酒などを飲ませてもらった。
「君みたいな社員は、これからも頑張って欲しいから、特別だよ!」
「これからもウチの会社に居て欲しいからね~」
なんてべた褒めされ、僕も上機嫌になり、
「僕も漫画家辞めて勤める以上は、上を目指したいんですよ!」
「やはり成形を極めていきたいんです!」
なんて、社長の前でかなり偉そうな事を言っていたのだが、社長はただ、「うんうん…」と聞いてくれていた。
凄く楽しかった食事会が終わり、週が明けた月曜日…
朝、会社に行くと突然社長に、
「S君、君は今日は別の部署に行ってくれ!赤男君は、S君の仕事を代わりにやってくれ!」
と言われた。
僕もSさんもかなりビックリしたが、ちょうどその時、別の部署に欠勤者が出たので、Sさんが代わりに行くのだと納得した。
入社して僅か1年の僕…
いきなりSさんの代役として部署を仕切り出したので、周りの先輩達も皆状態だった。
その日1日、あまり記憶がないぐらい、とにかく一生懸命頑張って、かなりヘトヘトになっていた…
「こんなに疲れたのは、入社した初日以来だ…」
「今日は大変だっただろう、よく頑張っていたよ!」
なんて言ってくれた。
そしてその日の帰り、社長にちょっと呼び止められて…
「今日はどうだった?」
「はい…かなり大変でした…」
「管理者としての能力は、S君より上だと思っているから、これからも頑張ってくれよ!」
「はっはい…お疲れ様でした!」
そして次の日は、欠勤者もなく、僕もSさんも通常の業務に戻る事になった。
そんなこんなで何事もなく1ヶ月が過ぎた頃、事態は急展開するのであった…
…続く。
この時に社長が言っていた、管理者としての能力は上と言う言葉…
この時は不慣れな状態で1日頑張った僕への、労いの意味で言ってくれたのかと思っていました。
しかしこの1ヶ月後に、社長の本気の言葉だったと実感しました。
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