戦国時代から織田・豊臣の天下を経て、徳川の天下統一に至る歴史の大きな流れの中で生き残りを模索し続けた真田昌幸・真田信繁親子。
昌幸の後を継いだ信繁の元に集まった十勇士。
この物語は彼らの活躍をダイナミックに描いた歴史エンターティンメントです。
2014年の舞台公演に続き、今年も舞台が公開中です。
映画版と同じく真田幸村を加藤雅也、猿飛佐助を中村勘九郎が、女忍者の火垂は大島優子に代わって篠田麻里子が演じています。
知将の誉れ高い真田幸村こと真田信繁ですが、この作品では幸村の数々の成功は十勇士のひとり猿飛佐助が仕組んだもので、幸村は腰抜けで自らの考えで数々の功績を積み上げたのではなかったとしています。
歴史の記録の隙間に存在する真実は、もはや誰も知ることはできません。まあ、だからこそ大胆な仮説を立てた歴史ものが生まれ得るのかも知れませんね。
「何が嘘で何が本当なのか？」
劇中、佐助が幾度となくつぶやくこのセリフ、言い得て妙です。
真田十勇士
猿飛佐助 霧隠才蔵 根津甚八 由利鎌之助 筧十蔵
三好清海 海野六郎 三好伊三 真田大介 望月六郎
この中で何人が実在した人物なのか？
幸村の子である真田大介は実在したと思われるし、猿飛佐助もNHKの「真田丸」にも出ているというわけではありませんが、あまりにも有名で実在したと信じたいです。
佐助のライバル霧隠才蔵もモデルになった人物はいたのかも知れませんね。
敵である徳川方の女忍者火垂（大島優子が演じる）が霧隠才蔵（松坂桃李）に恋してたというエピソードにいたっては・・・・。
豊臣秀吉の側室である淀殿（大竹しのぶ）が真田幸村に恋焦がれていたというのも嘘か本当か？
全体的には堤幸彦監督のカラーが程よく出ていてシビアな史実をユーモアを交えつつ描いていました。
合戦シーンはかなり気合が入っていて音へのこだわりも感じられました。
柴田錬三郎の「真田十勇士」では、真田幸村の作戦立案がもしも採用されたら徳川家康を打ち破り天下の動向はどうなったか判らなかったという可能性が描かれたいます。
今作でもそれを示唆する重要なシーンがあります。
そう言えば、三代目服部半蔵は大阪の陣の頃は存在したとされていますが、今作では登場しませんでした。服部半蔵と猿飛佐助や霧隠才蔵との闘いを入れても良かったかもしれませんが、そうなると火垂や仙九郎と佐助・歳三との闘いとの兼ね合い等話が拡散してしまったかな。
エンドロールにはロマンがあり、続編にしても面白ろそうです。
真田十勇士 （2016年 日本）
監督 堤幸彦
脚本 鈴木哲也
出演 中村勘九郎 松阪桃李 大島優子 加藤雅也 大竹しのぶ 永山絢斗 加藤和樹 高橋光臣 石垣佑磨 駿河太郎 村井良大 荒井敦史 望月歩 青木健 伊武雅刀 佐藤二朗 野添義弘 松平健
「真田十勇士」主題歌映像 『残火』 松任谷由実