今月18日より、銀座ギャラリーGKにて

ムツさんの個展が開催されているのですが

 

思い立って・・。

 

本当に、よし!と心のスイッチを自分で半強制的に押して

その会場に出向いてきました。

 

40回目という節目の回数でもあり、

父、ムツさんが

「個展に作品を描くのも、今回で最後になるかなぁ。」とつぶやいていたのも

聞いておりましたので

その思いとともに、私が行こう、とふと思ったのです。

 

銀座の6丁目、中央の大きな通りから

少し横道に入り、キラキラとしたブティックや

おしゃれなショコラティエなどが並ぶ通りから

細い路地に入ったところに

いつもの「畑正憲展」という黄色の看板が

出されています。

そっと中をのぞくと

 

そこは、あまりにも濃密なムツさんの空間で

ひととき、胸がつまり

思い切り涙がこぼれてきそうでしたが

中にいらっしゃるみなさんにご心配をおかけしては、と思いなおし

ふうーっと息を吸い込み、

「ムツさん、来ましたよ~。」と心の中で話しかけながら笑顔を作り、

中に足を踏み入れました。

 

 


いつもと何も変わらないギャラリーの風景で

ただムツさんがこの地上にいないことだけが

大きく変わっていて

 

それでもムツさんの魂や、

どんどん飛び出す世界を駆け回るお話や

笑い声がそこに飛び回っているような

不思議な感覚に包まれる場所でした。

 

長い間お世話になった画廊のオーナーさん、

ムツさんとともに長い時間を走り続けてくれた秘書のHさん、

個展1回目から来てくださっているムツさんのファンの方、

素敵な方々にお会いできました。

 

時間を合わせていたわけではないのに

今年出版された2冊の本の担当さんとも

たまたまタイミングが合い、ご挨拶、御礼をすることも

できました。

 

みなさまの温かい心にふれ、

ともにムツさんについて語り合い

(こんなところは、ダメダメだったよねー、なとということも含め笑)

泣いたり、笑ったり。

 

40回の個展。

沢山の時間に積もり積もった愛がそこにあり

元気と勇気に変わるパワーを

いただいた気がしています。

 

また明日きます、とご挨拶をして

歩き出した銀座の街を

ムツさんも愛していました。

 

幼い頃、東京に暮らしていた頃は

お正月のどこかで、年一回の父娘銀座デート?が

恒例でした。

画廊で気ままに絵を眺めたり

デパートで小さなペンダントを選んだり

伊藤屋でシールをいっぱい買ってみたり

思い出がつまった街でもあります。

 

夜も明るい銀座の人波の中、

ひときわ早足でその中をスイスイ泳ぐように

歩いて行くムツさんの背中を見たような気がして

またも風景が少しだけにじんでしまいました。

 

久しぶりの4泊の旅。

 

中標津が近づき、

雲の切れ間から、姿を現した一面の緑の大地を眺めると

東京とは別の惑星におりたつ宇宙飛行士の気分になりました。

 

 

青山でも銀座でも。

パリでもバルセロナでも。

アマゾンの密林でもアフリカのサバンナでも

ヒマラヤの奥地でも。

 

ムツさんはその背中で

「どんな場所に立っても、自分のスタイルで面白がって生きる」

ことを教えてくれていた気がします。

 

久しぶりの都会を子供のように目を丸くして

探検し、良い刺激をもらい

また戻ってきて森に囲まれた我が家の良さを改めて感じ

ちょっと時差ぼけにもなり笑

 

また新鮮な気持ちでまたがんばれる!

思っている私です。

 

(父、ムツさんの個展は今月30日まで

銀座ギャラリーGKにて開催されております。

よろしければどうぞお出かけください。)

 

明日美